肩(三角筋)をターゲットとした自重トレーニング

全て

三角筋は肩関節を起点に、腕を前方・側方に上げる、後方へ引く際に主に使用されます。

腕を上げる動作(後方へ引く動作も後方へ上げるといえる)となるため、ダンベルなどのウエイトを利用したトレーニングが有用となります。

ダンベルなどがない場合でも、水入りのペットボトルや重りの入った袋を利用する方法があります。

ウエイトトレーニングの紹介は後ほどしたいと思いますが、今回はウエイトを使用しない自重トレーニングをいくつか紹介したいと思います。

肩(三角筋)の筋肉の収縮と伸長(ストレッチ)を意識して、トレーニングを行っていきましょう。


三角筋の自重トレーニング

1.壁押しショルダープレス

主に三角筋の前部・中部を鍛えることができます。

負荷の調整が行いやすく、初心者や筋力が弱い方でも簡単に行えます。

また、基本的に壁があれば立ったままどこでもできますので、仕事の合間などにちょっとしたリフレッシュ代わりに用いることもできます。

方法

  1. 壁に向かって立ち、体をしっかり前傾させます。
  2. 肘を伸ばしたまま、肩幅よりもやや広い手幅で壁に手をつけます。この時、手をつく位置は肩と同じ高さもしくは若干低い位置につくようにしましょう。肩より高い位置につくと肩関節に負担がかかってしまいます。
  3. 息を吸いながらゆっくり壁に頭を近づけ、頭が壁につくぎりぎりのところまで体を前に倒していきます。
  4. 息を吐きながら両手で壁を押し、元の位置へ戻ります。

負荷の調整

負荷を軽くするとき

壁からそれほど離れずに行えば負荷は軽くなります。

負荷を高くするとき

壁から離れるとその分負荷が高くなります。


2.パイクプッシュアップ

主に三角筋の前部・中部や僧帽筋を鍛えることができます。

方法

  1. 四つん這いになり、手は肩の真下に置き、手幅は肩幅より少し広めに広げて腕立て伏せのような姿勢をとります。
  2. 肘と膝を伸ばし、お尻を突き出して腰の角度が90度程度になるようにします。
  3. 肘を外側に開きながらゆっくりと曲げて、おでこが地面につくギリギリの高さ、肘の角度が90度程度になるまでおろします。
  4. 肩の力で床を押し返し、ゆっくりスタートポジションに戻ります。

負荷の調整

負荷を軽くするとき

手を床より高い台などの上にのせて行うと、重心が脚側により負荷を低くすることができます。

負荷を高くするとき

足を床より高いボックスやベンチの上にのせて行うと、重心が上体により負荷を高くすることができます。


3.逆立ちプッシュアップ

三角筋前部、中部(肩)、僧帽筋(背中)、上腕三頭筋(腕)などの筋肉を鍛えることができます。

ただし、逆立ちプッシュアップは逆立ちという体勢と、全体重が腕や肩に乗る負荷の高さから難易度がやや高く、ある程度の筋力とバランス感覚が必要です。

無理すると頭から崩れ落ちたり、ケガをする危険性もあります。

逆立ちプッシュアップはある程度筋力がついてから行い、無理はしないようにしましょう。

方法

  1. 手の幅を肩幅かそれよりやや広く手を床につけ、壁などを利用して倒立します。
  2. 肘を曲げて身体をゆっくり下ろします。
  3. 同じ軌道で身体を押し上げます。

身体の前面が壁の方を向くようにすると三角筋前部、身体の後面が壁の方を向くようにすると三角筋中部に負荷がかかりやすくなります。


4.壁倒立キープ

逆立ちはできるがその状態からの腕立ては難しいという方は、逆立ちの状態をキープするだけでも肩回りの強化とバランス感覚の向上が期待できます。

壁から体を離さないようにして、体幹に力を入れてキープします。


5.プッシュザグランド

三角筋後部の強化と腹筋の引き締めに効果的です。

方法

  1. 仰向けに寝ます。
  2. 肩の真横に肘を伸ばし、一直線になるように腕をつけてください。
  3. 肩の筋肉に負荷がかかっていることを意識しながら、腕で床を押し上体を起こしていきます。三角筋後部の筋肉だけではそれほど強い力は出せませんので、お尻はつけたままでも負荷は十分です。それでもまだ負荷は強いと思いますので、三角筋後部の力はしっかり使いつつ腹筋の力も使い上体を上げていきましょう。
  4. もとの位置まで上体を下げていきます。上体を上げ下げする際は、できるかぎり大きく行ってください。

6.インバーテッドロウ

インバーテッドロウ(ななめ懸垂)では背中の筋肉(広背筋・僧帽筋・大円筋など)を中心に三角筋後部や上腕二頭筋にも刺激を加えることができます

一般的には鉄棒やディップスバーを利用することが多いのですが、自宅でもテーブルなどを利用して行うことができます。

方法

  1. バーに手をかけ、足を前に伸ばして体を斜めに保ちます。(※ご自宅であればテーブルなどを利用してもできますが、安定性や強度を確認の上行ってください)
  2. 手の幅は肩幅よりも広めに設定します。
  3. 胸を張り、肘を外側に広げながら、体を引き上げます。
  4. 肩甲骨を寄せることを意識しつつ、胸をバー(テーブル)に近づけます。
  5. ゆっくりと元の位置に戻します。

負荷の調整

負荷を軽くする場合

負荷を軽くする場合は、立位に近くなるほど負荷は軽くなります。

高さが調整できるスミスマシンのバーなどを利用する場合は負荷の調整が行いやすいと思いますが、高さが調整できない場合はゴムバンドを利用する方法(バンドアシスト)もあります。

また、足の位置が手の位置に近ければ負荷が軽くなるため、膝を曲げて立てるようにして行うと負荷を軽くすることができます。

負荷を高くする場合

身体が床と水平に近くなるほど、足側の支える場所が手から離れるほど負荷が強くなります。

自宅でテーブルを利用して行う場合は、椅子などの上に両足を乗せて行うといいでしょう。

フォームを崩さない範囲で、自分の筋力に合わせて負荷を調整しましょう。

インバーテッドロウで三角筋後部に効かせるコツ

インバーテッドロウは主に体の背面、特に広背筋や僧帽筋を鍛える際に有効なトレーニングです。

肩(三角筋後部)にしっかりと効かせるためには、いくつかのポイントがあります。

  1. 手のグリップ幅を広めにする
    • 手幅を広めに取ることで、肩の後部への負荷が得やすくなります。肩幅よりも広い位置に手を置いて行いましょう。手幅を狭くすると上腕二頭筋の関与が強くなります
  2. 肘の動きに注意
    • 肘を広げて引くように意識します。肘を外側に広げることで、三角筋後部により多くの負荷がかかります。
  3. 身体をまっすぐに保つ
    • 頭からかかとまで一直線になるように意識しましょう。背中が丸まるとターゲットとなる筋肉に効かせにくくなるため注意が必要です。
  4. 上体をしっかり引き上げる
    • 胸をバー(テーブル)に触れさせる意識で上体を引き上げ、筋肉をしっかりと収縮させるようにしましょう。
  5. 動作のコントロール
    • 動作は丁寧にコントロールして行います。体を引き上げて一旦止める意識でしっかり筋肉を収縮させた後、ゆっくりと重力に抵抗するように身体をおろして行きましょう。肩の後ろの筋肉(三角筋後部)の収縮と伸長をしっかり意識しましょう。
  6. 手の向きを変える
    • 順手で行ったり、手のひらを内側に向けることで、三角筋後部への刺激を変えることができます。テーブルで行う場合は主にこの2通りでしょうか。逆手も出来なくはありませんが、顔が机の裏にくる分行いづらいかもしれません。

7.アームサークル

腕や肩、背中の筋肉を使う自重トレーニングです。

肩関節の柔軟性を向上させ、姿勢の改善にも役立ちます。

壁押しのショルダープレスと同様に、負荷の調整が行いやすく、初心者や筋力が弱い方でも簡単に行えます。

方法

  1. 立った状態で、足を肩幅に開きます。
  2. 腕を肩の高さで横に伸ばし、手のひらを下に向けます。
  3. まずは腕を小さな円を描くゆっくり回します。
  4. 徐々に円の大きさを大きく、円運動を早くしていきます。
  5. 一定の回数を行った後、逆方向にも同様の動作を行います。

注意点

負荷が腕の重さだけのため、強い負荷を得ようとすると円運動を大きく早くする必要があります。

無理をすると、肩関節に思わぬ負担がかかる可能性があります。

無理な力が加わり肩を痛めないように注意しましょう。

動作に合わせた呼吸が行いずらいため、意識して呼吸を止めないようにしましょう。


8.各種プッシュアップ

プッシュアップは大胸筋と同時に三角筋や上腕三頭筋も鍛えられるトレーニングです。

胸筋のトレーニングでご紹介した、ノーマルプッシュアップやサイドプッシュアップなどでも三角筋に刺激を加えることができます。

これまでご紹介した各種プッシュアップに関してはこちらをご参照ください。

腕立て伏せの基本的なフォームと注意点!

胸をターゲットとした自重トレーニング

また、腕のトレーニングでご紹介しようと考えていますが、ナロープッシュアップやディップスやトライセプスディップス(リバースプッシュアップ)なども三角筋に刺激を加えることができます。


まとめ

三角筋の前部・中部・後部をバランスよく鍛えるようにしましょう。

冒頭で述べたように、三角筋の働きは主に腕を前方・側方に上げる、後方へ引く動作となります。

ウエイトを利用したトレーニングが有用となりますが、紹介したように自重を利用したトレーニングもあります。

肩関節は構造上、靱帯損傷や脱臼などの怪我が生じやすい場所です。

トレーニングを行う際には、正しいフォームを意識し、無理な動作は避けるようにしましょう。

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