胸をターゲットとした自重トレーニング

全て

胸筋を鍛える自重トレーニングの中で、腕立て伏せは最も典型的な手法の一つとされています。

腕立て伏せには様々なバリエーションが存在し、鍛える部位や刺激の強度を調節できます。

今回は、胸をターゲットとした腕立て伏せのバリュエーションの一部を紹介していきます。

胸筋をターゲットとして鍛える場合は、胸の筋肉の収縮を使って体を押し上げるように意識しましょう。


1.ノーマルプッシュアップ

ノーマルプッシュアップは腕立て伏せの基本となるトレーニングです。

ノーマルプッシュアップについては以前方法・注意点・ポイントを詳しく紹介しました。

他のプッシュアップに挑戦する前に、基本となる腕立て伏せを正しく行えるようにしておきましょう。

詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

腕立て伏せの基本的なフォームと注意点!

方法

手を肩幅より少し広げ、手のひらを床につけます。

つま先と手のひらで体を支え、頭から足先までが一直線になるように姿勢を整えます。

肘を曲げて、胸が床につく直前までゆっくり体を下ろします。このとき脇が開きすぎると肩への負担が大きくなりますので、開きすぎないように注意しましょう。

頭からかかとまでまっすぐな状態を保ち、顔は床に向けるようにしましょう。

身体を押し上げるときも脇が開きすぎないように注意しながら、肘を伸ばして体を押し上げます。


2.ワイドプッシュアップ

手幅を肩幅より広くすることで大胸筋により集中的に刺激を与えることができます。

手幅の目安としては、肩幅の約1.5倍から2倍の広さをとるようにしましょう。

方法

ノーマルプッシュアップより手の幅をさらに広げて腕立て伏せを行います。

基本的な動作は、ノーマルプッシュアップと同様です。

注意点

ワイドプッシュアップは、肩関節への負担が大きくなる、可動域が狭くなるなどの欠点も持ち合わせているため、その評価は賛否分かれています。

行うのであれば、トレーニングのメインメニューとして過度に行うのではなく、トレーニングの一部分として適度な頻度で取り入れるといいでしょう。

また、手幅が広い分、正しいフォームを維持するのが難しいことがあります。

れてきても、常に身体を一直線に保つよう注意しましょう


3.インクライン・プッシュアップ

手を高い台などにのせて行う腕立て伏せの一種です。

腕を上体の斜め下に押し出す運動となるため、大胸筋の特に下部を効果的に鍛えることができます。

上体が起きる分、足のほうに重心がかかり、ノーマルプッシュアップよりも負荷が軽くなります。

筋力の弱い方などでノーマルプッシュアップを行うことが難しいという方は、腕立て伏せの入門としてインクライン・プッシュアップから始めるという取り入れ方もできます。

方法

高さのある土台(例えばベンチ台)に両手を乗せ、腕立て伏せを行います。

基本的な動作は、ノーマルプッシュアップと同様です。

注意点

上体が起きる分、足側に重心がかかり、ノーマルプッシュアップよりも負荷が軽くなります。

大胸筋下部を鍛えたいときに有効ですが、負荷が低くなるので足りないときは重りの入ったリュックサックなどを背負うと負荷を高めることができます。

また、負荷が低くなる分、ゆっくりとした動作で行うと効果的です。


4.デクライン・プッシュアップ

足を高い台などにのせて行う腕立て伏せの一種です。

角度をつけることで腕を上体の斜め上へ押し出す運動となるため、大胸筋の特に上部に負荷をかけることができます。

足を高いところに置くことで上半身が低くなり、重心が上半身側に偏ることで負荷も高まり強い刺激を与えるトレーニングになります。

そのため、足の高さを変えることで負荷の調整を行うことが可能です。

また、ノーマルプッシュアップより負荷が高くなるため、筋トレ初心者やデクラインプッシュアップがきついという人は、少し低めの台から始めることをおすすめします。

それでも負荷が高いと思われる方は、台に乗せる足をつま先ではなく膝にすることや、ボックスプッシュアップにすることで負荷を減らし大胸筋の上部に刺激を与えることができます。

方法

ベンチや椅子など高さのあるものに足のつま先を乗せます。

手を肩幅に広げ地面につけ、ゆっくりとプッシュアップを行います。

注意点

体は常にまっすぐをキープし、腕立て伏せのフォームを崩さないようにしましょう。

腰が反らないように注意しましょう。


5.ウォール・プッシュアップ

立ったまま壁押しの腕立て伏せを行います。

通常のプッシュアップが難しい方に適したプッシュアップで、プッシュアップの中でもかなり負荷を抑えたトレーニングができます。

リハビリに用いたり高齢者の方でも取り入れられます。

また、基本的に壁があれば立ったままどこでもできますので、仕事の合間などにちょっとしたリフレッシュ代わりに用いることもできます。

方法

大きく 一歩離れた位置で壁の前に立ちます。

両手をまっすぐ伸ばして肩幅より広めに壁につけてもたれかかります。

腰が反らないように一直線のラインになるように体幹部を固定し、両足はそろえてかかとを上げます。

両肘を曲げて顎が壁に触れる直前まで上半身を壁に近づけます。

体を押し返して、もとの開始姿勢まで戻ります。


6.膝(ひざ)つきプッシュアップ

膝つきプッシュアップは、ノーマルプッシュアップよりも負荷が少なく、初心者や筋力に自信がない方でも気軽に取り組めるトレーニングです。

方法

膝つきプッシュアップは、膝を床につけ、足先は浮かせた状態で行います。

床にクッションやヨガマットなどを敷いて、膝が痛くならないようにしましょう。

四つん這いになって、両手は肩幅よりも少し広く開きます。

背筋は真っすぐ一直線に保ちながらプッシュアップを行います。


7.ボックスプッシュアップ

大胸筋上部を狙いたいが、筋力が弱くデクラインプッシュアップができないという方には、ボックスプッシュアップも有効な手段となります。

方法

ボックスプッシュアップは膝つきプッシュアップと同様に膝を床につけプッシュアップを行います。

ただしボックスプッシュアップは上体を伸ばさず四つん這いの姿勢を保ちます。

四つん這いの姿勢をキープしたままプッシュアップを行います。


8.サイドプッシュアップ


横向きになった状態で片手ずつ行うプッシュアップです。

筋肉の収縮時に強く負荷をかけることができ、通常のプッシュアップとは異なる角度・タイミングで筋肉に刺激を加えることができます。

また、片腕ずつトレーニングを行うため、筋肉の発達に左右差が認められる場合、その是正に用いることもできます。

方法

床に横向きになり、下になる手は反対側の腰に添え、上になる手は胸から肩の下の床につけます。

両手がクロスする形になりますが、床につく方の手が前にくるようにします。

床についた手に力を込めて地面を押し、上体を持ち上げます。

この時腰を持ち上げる必要はありません。

骨盤を起点に上体を起こすようにしましょう。

ゆっくりと肘を曲げて上体が床につかないぎりぎりのところまで下ろします。

その後、再び肘を伸ばして上体を押し上げ、これを繰り返し行います。

反対側も同様に行います。

注意点

左右のポジションでバランスよくトレーニングを行いましょう。

上体を押し上げるときは、背中が丸まらないように胸を張りましょう。

骨盤を軸にして上体を起こしましょう。


腕立て伏せの効果を上げる筋トレグッズ「プッシュアップバー」

トレーニンググッズの中に「プッシュアップバー」というものがあります。

プッシュアップバーの使用は、より大きな可動域を得るという利点をもたらします。

身体を深くおろすことにより、胸筋をより強くストレッチさせることができます。

筋肉の成長には、このストレッチポジションでの負荷が非常に重要となります。

自宅でのトレーニング、そして自重がメインのトレーニングの場合は、ぜひとも準備していただきたいグッズの一つです。

詳しくは以前紹介した、「腕立て伏せの基本的なフォームと注意点!」のページでも紹介していますので、よろしければこちらをご参照ください。

腕立て伏せの基本的なフォームと注意点!


まとめ

今回は、主に胸筋をターゲットとする自重トレーニングとして腕立て伏せのバリュエーションを8つ紹介しました。

腕立て伏せは、自重トレーニングの代表格の一つです。

腕立て伏せのバリュエーションは豊富で、胸筋の中でも鍛える部位や刺激の強度を調節することができます。

また、胸だけではなく、肩や腕を重点的に鍛える方法もあります。

豊富なバリュエーションは、トレーニングのマンネリ化を避け、トレーニングに対する飽きを防止する働きもあります。

今回ご紹介した腕立て伏せのバリュエーションは、初心者にも行いやすいものを選びました。

自宅でも気軽に行えますので、気負わずに取り組んでいきましょう。

ただし、十分なトレーニングの効果を引き出すためには、正しいフォームで行うことが重要です。

せっかく行うのであれば、雑に行わず丁寧に行うようにしましょう。

追記

腕立て伏せの他にも、ディップスなど胸をターゲットにできる自重トレーニングはありますが、デップスバーなどの道具が必要となってきます。

ディップスに関してはまた別の機会にご紹介したいと思います。

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