RM法については前回説明しました。
では、トレーニングでどのように活用していくのか、具体例をご紹介しようと思います。
前回からのおさらい
RMとは(Repetition Maximum:レペティション マキシマム)の頭文字をとったもので、「最大反復回数」と訳されます。
Repetition Maximum:回数を意味するRep(レップ)と最大を意味するMax(マックス)の組み合わせとすれば覚えやすいかもしれません。
RMは、特定の重量を持ち上げられる最大の回数を指します。
例えば、「5RM」は、5回はぎりぎりできるけど6回は出来ない負荷ということになります。
つまり、「1RM」が、最大挙上重量(自己のMAX重量)ということになります。
表現としては、「10RM」は「10回反復できる最大の負荷(重さ)」を意味し、100㎏で何とか10回できる場合は「10RMは100㎏」というように表します。
RM換算の式
RM換算の式はEpley式、O’Conner式、Brzycki式、McGlothin式、Mayhew式、Wathan式、Lombardiの式など様々あり、式によって予測値に若干のずれが生じます。
多く取り入れられているのは、Epley式、O’Conner式があげられます。
1.Epley式: 1RM=重量×(1+回数/30)
2. O’Conner式: 1RM=重量×(1+回数/40)
RM換算は、ベンチプレス・スクワット・デッドリフトなどの高重量を扱うコンパウンド種目に多用される傾向があります。
この3種目での比較では、スクワット・デッドリフトの方がベンチプレスに比べ多く、そして大きな筋肉を使用し、回数が増えると疲労が蓄積しやすい傾向があります。
つまり、1RMから同じ比率で重量を落としてセットを組んだとしても、スクワット・デッドリフトの方が回数をこなせない傾向があります。
これを考慮して、RM換算表ではベンチプレスをO’Conner式、スクワット・デッドリフトをEpley式で計算しているところが多いようです。
RM換算表
難しい計算ではありませんが、RM換算式で毎回計算するのも面倒です。
そんな時は、RM換算表を用いると簡易的に予測値を出すことができます。
ある程度範囲を絞りますが、RM換算表を作ってみます。
ベンチプレス(O’Conner式)
スクワット・デッドリフト(Epley式)
スクワット・デッドリフト – ②
1RM=重量×(1+回数/33.3)で計算している場合もあります。
その場合
となります。
RM換算表の活用法
RM換算表は、自分の筋力レベルや筋トレにおいて最適な負荷を算出するのに役立ちます。
1.自分の最大出力(1RM)重量の予測ができる
例)ベンチプレスで85㎏×7回できた。
RM換算からすると1回だけなら100㎏も上がるかもしれない。
このように1RM重量の予測値を知るための間接法とも言えます。
2.セットを組む際に設定重量の目安となる
例)ベンチプレスのMAXが90㎏できる。
8回×3セットのトレーニングを行いたい。
1セットだけなら75㎏×8回できる力はあるだろう。
3セット行いたいので少し重量を落として70㎏×8回でやってみよう。
このように日々のトレーニングの予定を立てる目安となります。
3.目標によって重量設定を選択するのに役立つ
RM換算表を用いれば、目標の回数から適切な重量を選択することができます。
筋力アップであれば1RMの85%以上の負荷で1~5回程度、
筋肥大が目的なら1RMの 75~80%程度の負荷で10回前後でセットを組むのが目安になるでしょう。
筋持久力の上昇やシェイプアップを目的とする場合は、
1RMの 70%以下の負荷で15レップ以上の高回数を行うのが効果的です。
ただし、高回数では、疲労やフォームの崩れなども影響するため誤差が大きくなり、
10回を超えたあたりからRM換算表は計算式によるばらつきが大きくなってきます。
高レップの計算には不向きのようです。
RM換算表を使うときの注意点
- RM換算はあくまで目安であり、個人差や日々のコンディションによっても変わります。
- レップ数が増えると精度が低くなります。特に、10回以上の高回数では不向きとなります。
- 種目によって適した計算式が異なります。例えばベンチプレスとスクワットでは、使う筋肉や疲労の蓄積の度合いが違うため、同じ計算式では合わない可能性があります。
- 目的に合わせて使いましょう。筋力や筋肥大、筋持久力を向上させるには、それぞれ適切な重量と回数の組み合わせがあります。RM換算表を参考にして、負荷を調整しましょう。
まとめ
RM換算表は、目的に合ったトレーニングを行い、トレーニングの効果を高めるための便利なツールです。
しかし、少なからず種目や個々の特性によって誤差があり、さらにレップ数が多くなるにつれて誤差が大きくなります。
RM換算はあくまで参考値として利用するといいでしょう。
安全で効果的なトレーニングを行うために、RM換算表を上手に活用して負荷を調整してみましょう。
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