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プリチャーカールのやり方と効果【初心者向け】

ダンベルトレーニング

肘を固定して上腕二頭筋を集中強化!
プリチャーカールの特徴や効果、正しいフォーム、初心者がやりがちな間違いまで丁寧に解説!

上腕二頭筋を鍛えるなら、プリチャーカールは非常に効果的な種目の一つです。
このトレーニングは、専用のプリチャーベンチを使って肘の位置を固定するため、反動を抑え、上腕二頭筋に集中して負荷をかけられるという利点があります。
フォームも安定しやすく、筋トレ初心者にも取り入れやすい種目と言えます。

今回は、プリチャーカールの正しいやり方や効果を高めるポイント、初心者が陥りやすい間違いや注意点まで、わかりやすく解説します。
力強い「力こぶ」をつくりたい方は、ぜひ参考にしてみてください!

プリチャーカールは、上腕二頭筋を集中的に鍛えられるアームカールの一種です。
「プリチャーベンチ」と呼ばれる傾斜のついた専用台に座り、肘をしっかり固定してカール動作を行います
肘を固定することで反動を抑えやすくなり、正しいフォームで上腕二頭筋にダイレクトな刺激を与えられるのが特徴です。

プリチャーカールで鍛えられる筋肉

■ 主に鍛えられる筋肉

上腕二頭筋
プリチャーカールでは、主に上腕二頭筋を鍛えることができます。
プリチャーカールの特性上、特に上腕二頭筋の内側に位置する短頭に刺激が入りやすくなります。


■ 補助的に使われる筋肉

上腕筋
上腕二頭筋の下(深層)にある筋肉で、肘を曲げる動作を補助します。
プリチャーカールでも自然と使われ、上腕全体のボリュームアップに貢献します。

腕橈骨筋
前腕の外側(親指側)に位置する筋肉で、肘関節の屈曲動作をサポートします。
ダンベルやEZバーを使用する際に使われやすく、前腕にも適度な刺激が入ります。

プリチャーカールに必要な器具

プリチャーベンチ
腕を斜め前方に固定できる専用のトレーニングベンチです。
肘をしっかり支えることで、反動を使わずに上腕二頭筋へ負荷を集中させることができます。

バーベル or EZバー or ダンベル
どの器具でもプリチャーカールは可能ですが、初心者にはEZバーの使用がおすすめです。
手首にかかる負担が少なく、自然な角度で握れるため、フォームが安定しやすくなります。

EZバー(Wバー)

EZバーは、波打つ形状が特徴のバーベルで、特に腕のトレーニングに適した器具です。



また、ジムによってはプリチャーカール専用のマシンが設置されている場合もあります。
初心者でも安全にトレーニングしやすく、動作のブレを抑えるのに役立ちます。


使用器具による特徴

器具メリットデメリット
バーベル(ストレートバー)高重量を扱いやすく、筋肉への強い刺激が得られる手首や肘にかかる負担が大きくなりやすく、柔軟性や正確なフォームの維持が必要
EZバー手首に優しく、自然なグリップでフォームが安定しやすい力の入れ方に偏りがあると左右差が出やすい
ダンベル両腕を個別に鍛えられるため、左右差の補正に効果的両手での安定性に欠け、高重量を扱いにくい
マシン動作が安定し、軌道が固定されていて安全性が高い場合によっては可動域が制限されることもある

プリチャーカールのメリット

  1. フォームが安定しやすい
    プリチャーベンチを使用することで肘の位置が前方に固定されるため、フォームが安定しやすくなります。この安定性により、筋肉が伸びる「ストレッチ」から縮む「収縮」までの動きをしっかり感じやすく、トレーニングの効率が向上します。

  2. 反動を抑えやすい
    腕をパッドに密着させることで反動を使いにくくなり、上腕二頭筋に対してよりピンポイントに刺激を与えることが可能です。

  3. 上腕二頭筋の中でも短頭(内側)を優位に鍛えられる
    肘を前方に固定するため、上腕二頭筋の中でも短頭(内側)を優位に鍛えることができます。

  4. 器具の選択肢が多い
    バーベル(ストレートバー)、EZバー、ダンベルなど使用できる器具のバリエーションが豊富なため、自分の目的や体格に応じて適切なツールを選ぶことができる。

プリチャーカールのやり方(EZバー使用例)

EZバーは、自然な手首の角度で握ることができるため、初心者でも扱いやすくおすすめです。

セットアップ

  1. EZバーをリバースグリップ(手のひらを上に向けて)で握る
    プレートを付ける場合は必ずカラー(留め具)でしっかり固定しましょう。
    EZバーの場合、手幅は基本的に狭めの手幅(ナローグリップ)と広めの手幅(ワイドグリップ)の2パターンがあります。
    まずは、自分にとって自然に握りやすい位置から始めてみましょう。

  1. プリチャーベンチに深く座り、背筋を伸ばす
    胸を張り、自然に背中を立てます
  2. 脇を軽く締めて、肘・上腕をパッドにしっかり固定する
    肘が浮いたりズレたりしないよう注意しましょう
  3. 足裏は床にしっかり接地させ、体を安定させる

カール動作(持ち上げる)

  1. 息を吐きながら、バーを巻き上げる
    反動を使わず、スムーズな動作でゆっくり持ち上げる
    肘の位置は動かないように注意
    トップポジション(最大収縮位置)まで上げたら、一瞬(1秒程度)キープするとより効果的です

ネガティブ動作(下ろす)

  1. 息を吸いながら、2〜3秒かけてゆっくりとバーを下ろす
    肘を完全に伸ばし切らないように注意(関節への負担を防ぐ)
    下ろす間も、筋肉にテンションをかけ続ける意識を持つ

繰り返し

  1. 同じ動作をコントロールしながら繰り返す
    最後までフォームを崩さず、反動や勢いに頼らないようにしましょう

ご自宅で行う場合

アジャスタブルベンチダンベルを用いて行うこともできます。

ダンベルであれば、前腕の角度調整も可能です。
ただし、動作が不安定となりやすいという欠点もあるため、丁寧な動作を心がけましょう

プリチャーカールと上腕二頭筋への刺激の特徴

上腕二頭筋は、長頭短頭という2つの筋頭から構成されており、それぞれ起始部(筋肉の始まりの位置)が異なるため、肩の位置によって受ける影響にも差があります。

この違いが、トレーニング種目ごとの効き方(刺激の入り方)に影響を与えます
以下に、長頭と短頭の構造的な違いと、それに伴う作用を整理します。

筋頭起始停止肩関節との関係主な作用
長頭肩甲骨の関節上結節橈骨粗面肩関節の中を通過しており、肩の位置変化に敏感。肩の伸展(後ろに引く)でストレッチされやすい。肘関節の屈曲、前腕の回外、肩の屈曲
短頭肩甲骨の烏口突起橈骨粗面肩関節の前面に付着しており、長頭に比べ肩の動きにはあまり影響を受けない。比較的フォームの影響を受けにくい。肘関節の屈曲、前腕の回外、肩の屈曲

上腕二頭筋の長頭は肩甲骨の関節上結節から起こり、肩関節の関節腔内を通過します。
その後、上腕骨頭の上を横断し、上腕骨小結節の外側縁を滑車のように利用して進路を変え、結節間溝を下行します。
この構造により、長頭は肩の屈曲や伸展の影響を大きく受ける筋肉であり、肩関節の角度によって筋肉の伸び縮み(ストレッチと収縮)が大きく変化します。

プリチャーカールは、肘を体の前に出す(肩を屈曲させた)状態でカール動作を行います。
このポジションでは、上腕二頭筋長頭は短縮位(筋肉が短くなった状態)となり、十分なストレッチ刺激を受けにくくなります
そのため、長頭が筋肉として本来持つ「ストレッチされた状態から力を発揮する能力」を活かすことができず、動作中の関与が相対的に低下する傾向があります。

POINT

プリーチャーカールでは、長頭は短縮位にあるため、活動が抑えられやすい

一方で、
上腕二頭筋の短頭は、肩甲骨の烏口突起(前面)から起こり、烏口腕筋の表面を走行します。
長頭と比べて肩の屈曲・伸展による影響を比較的受けにくい構造であるため、プリチャーカールのように肩が屈曲した(肘が体の前に出る)ポジションでも、機能を損なわずに力を発揮しやすいという特徴があります。

POINT

プリーチャーカールでは、短頭が活動しやすい

まとめると、

プリチャーカールは、肩関節を屈曲位に保った状態で肘関節の屈曲運動を行うため、短頭に優位な刺激が入りやすいという特徴があります。

まず、ここまでがプリチャーカールと上腕二頭筋への刺激の関係の前提となります。



使用器具による上腕二頭筋への刺激の変化

では、『使用する器具によって、上腕二頭筋への刺激に違いがあるのか?』というと、器具ごとの手の向きや動作特性によって、上腕二頭筋のどの筋頭(長頭・短頭)に刺激が入りやすいかが変わる傾向があります。

使用器具手の向き(前腕)主な動作特性主に刺激される筋肉部位
バーベル
(ストレートバー)
回外(手のひらが前を向く)回外した状態でのカール短頭 優位となりやすい
EZバー回内気味(手のひらが斜め)やや回内した状態でのカール長頭 が関与しやすくなる
ダンベル回外~回内(自由に回旋可能)前腕の角度調整が可能
ただし動作が不安定となりやすいという欠点も
上腕二頭筋 全体(長頭短頭どちらへも調整しやすい)

このような特性があります。

手幅による上腕二頭筋への刺激の変化

次に手幅の影響ですが、

  1. 起始部による影響

長頭と短頭の解剖学的位置

  • 長頭:腕の外側に位置し、肩甲骨の外側からスタート
  • 短頭:腕の内側に位置し、肩甲骨の烏口突起(内側寄り)からスタート

この起始部の違いにより

手幅影響主に刺激される筋頭
ナローグリップ(狭め)長頭がより直線的に引き伸ばされ、収縮しやすい負荷が外側に乗りやすい、長頭(外側)に有利
ワイドグリップ(広め)短頭の走行が活かされ、より収縮しやすくなる負荷が内側に乗りやすい、短頭(内側)に有利

  1. 手幅と上腕の回旋の影響

手幅と上腕の回旋の関係

手幅上腕の回旋前腕の向き筋肉への影響
ナローグリップ(狭め)上腕の外旋(外にひねる)手のひらがより内向きに(回内気味上腕二頭筋 長頭に有利
ワイドグリップ(広め)上腕の内旋(内にひねる)手のひらが外を向く(回外上腕二頭筋 短頭に有利


トレーニング活用のポイント

上記の1.起始部による影響 及び 2.手幅と上腕の回旋の影響より

  • ナローグリップ(狭め)長頭に効きやすい(外側の盛り上がり)
  • ワイドグリップ(広め)短頭に効きやすい(内側の厚み)

という設計理論が支持されています。

まとめ

カール種目×使用器具×手幅の選び方で、筋肉(長頭・短頭)への刺激をコントロールできる

プリチャーカール自体、短頭優位の刺激となりやすい

その前提の上で、
手幅の狭いナローブリップEZバーで行うと回内気味でカールが行えるため二頭筋長頭優位に、
手幅の広いワイドグリップバーベル(ストレートバー)で行うと回外気味でカールが行えるため二頭筋短頭優位に刺激を与えることができるとされています。

初心者におすすめのセット数・回数

まずは、フォーム習得のため、軽めの重量で少し多めの回数で行ってみましょう。
具体的には10~12回 × 3セットを目安に始めるのがおすすめです。
慣れてきたらフォームを維持できる範囲で、徐々に重量を上げていきましょう。

プリチャーカールのポイントとコツ

  1. 腕を伸ばし切らない(完全に下ろさない)
    おろした時に肘を伸ばし切ってしまうと、関節がロックしてしまい( 筋肉への負荷が抜けてしまう)トレーニングの効果が下がるだけでなく、肘を痛める原因になります。
    肘が伸びきる少し手前で、再び挙上に切り替えるようにしましょう。

  2. 過剰な重量は扱わない
    重すぎる重量で無理やり行うと、おろしたときに肘が伸びきりやすくなり危険です。
    あくまでもコントロールできる範囲内の重量で行うようにしましょう。

  3. 肘と上体をしっかり固定する
    プリチャーカールは、プリチャーベンチに肘を固定することで反動を排除し、より集中的に上腕二頭筋へ刺激を与える種目です。
    したがって、肘や上体が動いてしまうのは、本末転倒です。
    肘・上腕・脇をプリチャーベンチのパッドに密着させて、動かさないようにしましょう。
    上体もブレないように、足をしっかり床につけて踏ん張るようにしましょう。。

  4. ダンベルはゆっくり丁寧に下ろす(ネガティブ動作を大切に)
    下ろす動作(=ネガティブ動作)も筋肥大には非常に重要です。
    腕をストンと落とすような動作では筋肉への刺激が弱くなり、トレーニング効果が半減します。
    重力に逆らうように、2〜3秒かけてゆっくりと丁寧にコントロールして下ろすことを意識しましょう。
    力を抜かず、最後まで集中して筋肉にテンションをかけ続けることを意識しましょう。

  5. 呼吸の調整(動作中は呼吸を止めない)
    力を入れるタイミング(ダンベルやバーを持ち上げるとき)で息を吐き、戻すタイミング(ダンベルやバーを下ろすとき)で息を吸うのが基本です。
    動きに呼吸を合わせることで、自然と体幹も安定しやすくなります。
    呼吸を止めてしまうと血圧が急上昇し、めまいや頭痛、ふらつきの原因になることがあります。
    呼吸は止めずに「リズムよく、自然に」を意識しましょう。

プリチャーカールは、肘を固定した状態で行うため、反動を使いにくく、フォームも安定しやすいのが特徴です。
正しいフォームを保ちやすいため、筋トレ初心者にもおすすめの種目です。
この種目は、上腕二頭筋、特に短頭(内側)に効かせやすい優れた種目です。
また、使用する器具(ストレートバー・EZバー・ダンベル・マシンなど)や手幅の違いによって、上腕二頭筋の長頭(外側)・短頭(内側)どちらにもアプローチを変化させることも可能です。
気分や目的に合わせてバリエーションを楽しめるのも魅力のひとつです。
フォーム・重量・呼吸・動作スピードなど、基本を押さえて行うことで、より効果的に二頭筋を鍛えることができます。
ぜひあなたの腕トレーニングメニューにもプリチャーカールを取り入れて、理想の力こぶ作りに役立ててください!

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