スクワットのバリエーションで、効果的&飽きないトレーニングを!【前編】
スクワットは下半身を中心に全身を鍛えられる優れた種目ですが、フォームや動きを少し変えるだけで、効かせる筋肉や刺激の入り方が大きく変わってきます。
さまざまなバリエーションを取り入れることで、筋トレのマンネリ化を防ぎつつ、多角的に体を鍛えることができるのも大きな魅力です。
今回は、自重で手軽に取り入れられるスクワットのバリエーションをいくつかご紹介していきます。
内容が多いため、前編・後編の2回に分けてお届けする予定です。
まずは前編からです。
なお、スクワットのバリュエーションには、まず基本となる自重でのノーマルスクワットを正しいフォームで行えるようになってから挑戦することをお勧めします。
まだご覧になっていない方は、まずこちらのスクワットの基本についてまとめたページをご覧ください。
ノーマルスクワット(スクワットの基本的なフォームと注意点!)
1.ワイドスクワット
ノーマルスクワットより足幅を広げた状態でしゃがみ、再び立ち上がる運動です。

ワイドスクワットでは、膝や股関節を伸ばす動きに加えて、股関節を内側に閉じる(内転)動きも加わるため、内転筋(太ももの内側の筋肉)への刺激を得やすいという特徴があります。
さらに、大臀筋(お尻)や大腿四頭筋(太ももの前)、ハムストリングス(太ももの裏)など、下半身の主要な筋肉にも刺激が入ります。
加えて、股関節まわりの柔軟性が求められる動作なので、股関節のストレッチ効果も期待できるのがポイントです。
方法
- セットアップ(構え)
- 足幅は肩幅の1.5〜2倍を目安に大きく開きます。
- つま先は外側に約45度向け、両手は胸の前で組んで固定するか、前に伸ばしてバランスをとりましょう。
- しゃがみ込み
- 息を吸いながら、膝を曲げてガニ股の姿勢でゆっくりと腰を落としていきます。
太ももが床と平行になる程度まで下げるのが目安です。
背中が丸まらないように注意しましょう。
- 息を吸いながら、膝を曲げてガニ股の姿勢でゆっくりと腰を落としていきます。
- 戻る
- 息を吐きながら、膝を伸ばしてスタートポジションまで戻ります。
- 繰り返し
- これを10回×3セットを目安に行いましょう。
動作はゆっくり丁寧に行うことで、より効果が高まります。
- これを10回×3セットを目安に行いましょう。
負荷を増やす方法
胸の前でダンベルなどのウエイトを両手で持つことで効果を高められます。
器具がなければ重り代わりのリュックを背負うことで負荷を増やすこともできます。
2.サイドスクワット(ラテラルスクワット)
足を横に大きく開いた状態で行うスクワットの一種で、左右に重心を移動させながら交互に片脚へ体重を乗せていくのが特徴です。

太ももの前(大腿四頭筋)、お尻(大臀筋)、太ももの裏(ハムストリングス)などを鍛えることができますが、足を横に開いて行うことで、太ももの内側(内転筋)に対して効果的に負荷とストレッチの刺激を与えられるのが大きな特徴です。
左右交互に重心を移動させながら動作を行うため、体重をかける脚に強い負荷がかかり、より効率的に筋肉を使うことができます。
さらに、重心が左右に動くことで、体幹の安定性やバランス感覚も同時に鍛えられるため、全身の機能向上にもつながります。
また、サイドスクワットはサイドランジの基本動作となります。
サイドランジに挑戦するときには、まずはサイドスクワットで正しいフォームと動作のコントロールを身につけておくと安心です。
方法
- セットアップ(構え)
- 肩幅の1.5〜2倍程度に足を広げ、背筋をまっすぐにして立ちます。
- 両手は反動を使わないよう、胸の前で組む・前に伸ばす・頭の後ろに添えるなど、動かないように固定しましょう。
手を前に出すとバランスが取りやすくなります。
- しゃがみ込み
- (基本的には左右交互に動作しますが、ここでは右足から始める例で説明します。)
- 息を吸いながら、左脚は伸ばしたまま、右膝を曲げて腰を落としていきます。
- 右足のかかとに重心を移動させて、股関節から曲げるイメージでお尻を後ろへ引き下げるように腰を落としていきます。
- 股関節をうまく使い、重心を移動して右脚にしっかりと体重をかけましょう。
- 右膝が90度になるのを目安に腰を落とします。

- 戻る
- 息を吐きながら、右脚の力で床を押し返し、元のポジションに戻ります。
- 戻るときは膝だけでなく股関節を伸ばすことも忘れずに行いましょう。
- 繰り返し
- 今度は反対側の左脚に重心を移し、同じ動作を行います。
- 左右交互に繰り返し、どちらか一方に偏らないようバランスよく鍛えることを心がけましょう。
負荷を増やす方法
胸の前でダンベルなどのウエイトを両手で持つことで効果を高められます。
器具がなければ重り代わりのリュックを背負うことで負荷を増やすこともできます。
3.シシースクワット
シシースクワットは、大腿四頭筋(太ももの前側)に集中的に負荷をかけることができる自重スクワットです。
シシースクワットでは、膝を前に突き出しながら上体を後ろに倒し腰を落としていきます。

この独特な動作により、太ももの前側(大腿四頭筋)をストレッチさせた状態で強い負荷をかけることができます。
特にこのようなストレッチされた状態での負荷は、筋肉の成長(筋肥大)に非常に効果的とされており、筋トレの効率を高めたい方におすすめのトレーニングです。
シシースクワットは、バランス感覚とある程度の筋力を必要とするため、上級者向けとされていますが、正しいフォームを習得すれば、自宅でも手軽に高負荷なトレーニングを実現できます。
シシースクワットの方法
- セットアップ(構え)
- テーブルや柱、壁など、身体を支えられる安定したものの横に立ちます。
- 足は肩幅に開き、片手を支えに添え、もう一方の手はバランスを取るために前方へ出しましょう。
- しゃがみ込み
- 膝を前方に突き出すように押し曲げ出しながら上半身を後ろに倒し、ゆっくりと限界まで体を下げていきます。
- 上半身を後ろに倒していくときには、かかとを浮かせてつま先立ちになります。
また、股関節は曲げずに(屈曲させずに)体をまっすぐに保ちましょう。 - 限界まで体を沈めたら、その姿勢で一瞬キープします。
太ももの前側に強い伸びと負荷がかかっているのを感じられるはずです。
- 戻る
- 上半身をまっすぐ保ったまま、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
反動を使わず、大腿四頭筋の力で丁寧に押し上げることを意識しましょう。
- 上半身をまっすぐ保ったまま、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
シシースクワットのポイントと注意点
- 動作はゆっくりと行う
- シシースクワットでは、大腿四頭筋をストレッチさせた状態をキープする時間が非常に重要です。
動作は反動を使わず、ゆっくりと丁寧に行うことで筋肉にしっかり負荷をかけることができます。
- シシースクワットでは、大腿四頭筋をストレッチさせた状態をキープする時間が非常に重要です。
- バランスを保つ
- シシースクワットは不安定な姿勢になるため、バランスを取るのが難しいトレーニングです。
しっかり腹筋に力を入れて体幹を安定させることを意識しましょう。
- シシースクワットは不安定な姿勢になるため、バランスを取るのが難しいトレーニングです。
- 膝から上はまっすぐに保つ
- しゃがむときに股関節が前に屈曲しないように、膝から胸までをまっすぐに保つことを意識しましょう。
体勢が悪いと、大腿四頭筋にうまく負荷をかけることができません。
- しゃがむときに股関節が前に屈曲しないように、膝から胸までをまっすぐに保つことを意識しましょう。
- ボトム(最下点)で動きを止めて、ストレッチ状態を一時キープする
- 腰を落としたら、そこで一時体勢をキープします。
一旦止めることで充分なストレッチと負荷を脚にかけることができます。
- 腰を落としたら、そこで一時体勢をキープします。
- しゃがむときはつま先立ちになる
- シシースクワットは、大腿四頭筋にしっかりストレッチをかけることで効果が得られる種目です。
しゃがむときは、かかとを浮かせてつま先立ちでバランスを取り、しっかり大腿四頭筋にストレッチを掛けましょう。
- シシースクワットは、大腿四頭筋にしっかりストレッチをかけることで効果が得られる種目です。
- ケガに注意する
- 大腿四頭筋や膝への負荷が大きいため、トレーニングにまだ慣れていない方や筋力の弱い方が無理をするとケガをする可能性があります。
最初は無理をせず浅く曲げるなどで負荷を調整してフォームに慣れることから始めましょう。
- 大腿四頭筋や膝への負荷が大きいため、トレーニングにまだ慣れていない方や筋力の弱い方が無理をするとケガをする可能性があります。
- 呼吸は止めない
- しゃがみ込む際に息を吸い、立ち上がるときに息を吐くようにしましょう。
4.ジャンピングスクワット
ジャンピングスクワットは、通常のスクワットにジャンプの動作を組み合わせたトレーニングです。

自重だけで行えるため、ダンベルなどの器具を使わずに負荷を高めることができるのが特徴です。
ジャンプ動作によって、太もも・お尻・ふくらはぎ・背中・お腹など、全身の筋肉を瞬時に動かすことになり、瞬発力の向上にも効果があります。
さらに、着地時に体をしっかり支える(ストップ動作)必要があるため、下半身と体幹に大きな負荷がかかります。
ジャンピングスクワットでは、主に大腿四頭筋(太ももの前側)、大臀筋(お尻)、ハムストリングス(太ももの裏)、脊柱起立筋(背中)、それからジャンプの特徴として腓腹筋やヒラメ筋(ふくらはぎ)の筋肉も鍛えることができます。
速筋を鍛えることでダッシュやジャンプなど瞬発力やパワーを発揮するスポーツを行う人にとって、非常に有用なトレーニング方法となります。
また、ジャンプの反復動作により心肺機能の向上や高いカロリー消費効果も期待できるため、筋力アップと脂肪燃焼を同時に狙えるトレーニングとして非常に優秀です。
ジャンピングスクワットの方法
- セットアップ(構え)
- まっすぐ立ち、足は肩幅程度に開きます。
つま先と膝は同じ方向を向け、背筋を伸ばして姿勢を整えましょう。
- まっすぐ立ち、足は肩幅程度に開きます。
- しゃがみ込み
- 腕を後ろに振り下ろしながら、膝を曲げて腰を落とします。
太ももが床と平行になるくらいまでしゃがむのが目安です。
このとき、背中が丸まらないよう注意し、体幹はしっかりキープしましょう。
- 腕を後ろに振り下ろしながら、膝を曲げて腰を落とします。
- ジャンプ
- しゃがんだ反動を使いながら、腕を前方〜上に振り上げて真上にジャンプします。
地面を強く蹴って、一気に跳び上がるように意識しましょう。
- しゃがんだ反動を使いながら、腕を前方〜上に振り上げて真上にジャンプします。
- 着地
- ジャンプの着地時は、膝を軽く曲げて衝撃を吸収します。
姿勢が崩れないよう、体幹に力を入れたまま、静かに着地することがポイントです。
- ジャンプの着地時は、膝を軽く曲げて衝撃を吸収します。
- 繰り返し
- 着地後、素早く次のジャンプ動作に移り、リズムよく反復しましょう。
- 回数の目安
10回 × 3セットを目安に行いましょう。
動作に慣れてきたら、ジャンプの高さやスピード、セット数を調整して負荷をコントロールしましょう。
ジャンピングスクワットの注意点
着地の時はしっかり膝と股関節のクッションを使い、関節の負担を減らしましょう。
また、足首や膝への衝撃を和らげるため、クッション性のあるシューズを履いて行うことをおすすめします。
次回 ⇒ 脚のトレーニング(自重スクワットの応用:後編)へ
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