具体的な体幹トレーニングの例 (プランクなど)
前回まとめたように、体幹のトレーニングには、動作を伴う「動的トレーニング(アイソトニックトレーニング)」と、適正な姿勢を動かず一定時間キープする「静的トレーニング(アイソメトリックトレーニング)」があります。
動的トレーニングに関しては、以前、自重で行える範囲でクランチ(腹筋)やバックエクステンション(背筋)など紹介しました。
そこで、今回はまだ紹介していないプランクのような、一定時間同じ体勢をキープする静的トレーニングを中心に、いくつかまとめていきたいと思います。
いずれも道具の必要ない自重トレーニングですので、気軽にご自宅でできるものばかりです。
特別に準備するものはありませんが、出来ればクッション性のある敷物の上で行うと、快適にトレーニングが行えますので、トレーニングマットやヨガマットのご使用をお勧めします。
なければラグやカーペットの上といった柔らかい場所で行われることをお勧めします。
プランク
‘’体幹トレーニングといえば‘’ で、まず思い浮かぶような、体幹トレーニングの代表格といえる種目です。
「フロントプランク」や「フロントブリッジ」といわれることもあります。
プランク(Plank)とは「厚板」という意味であり、うつ伏せの状態で肘先とつま先をつき、脊柱を丸める動き(体幹屈曲)と、お尻が落ちないように支える動き(股関節屈曲)を組み合わせて体を持ち上げ、全身を一直線にしたまま動かないように体勢をキープする静的トレーニングです。

腹直筋と股関節屈曲筋群(腸腰筋や大腿直筋など)を中心に、肩や背中やお尻といった幅広い多くの筋肉を鍛えることができます。
方法
- 四つん這いの姿勢をとり、床に両肘をついて肩とひじが床からまっすぐ直角になるように上半身を支えます。
- 両方の膝を伸ばして脚は腰幅に開きつま先を立て、腹筋に力を入れて、身体が膝と腰を床から浮かせて体を床から引き上げます。
- 呼吸は自然に続けながら、腰が下がらないように、お腹に力を入れて体幹を安定させます。
- 頭からかかとまで身体が一直線になるように体勢を維持します。プランクを行う時間の目安としては、1セット30秒で行ってみましょう。
- 2〜3セットを目標に繰り返しましょう。
注意点
- 正しいフォームを維持する
- プランクは適切な姿勢を一定時間キープすることで体幹を鍛えるトレーニングです。無理に長い時間続けると姿勢が崩れやすくなり、姿勢がぐずれた状態では効果が半減してしまいます。崩れたフォームで長時間行うよりも、正しいフォームで行える範囲でトレーニングを行ったほうが効果的です。
- お尻が上がっている
- お尻が上がると、体幹に十分な負荷がかからず、効果が減少します。
- お尻が下がっている
- お尻が下がるのも、トレーニングの効果が減少します。また、お尻が下がるということは、腰が反るということになります。腰に大きな負担がかかり、腰痛の原因となります。
- 肩甲骨が閉じている
- 筋肉を使って床を押し返すこともトレーニングの一環となります。また、肩甲骨が閉じると、背中から腰にかけて反りやすくなってしまい、背中や腰に負担がかかりやすくなります。腕で地面を押し返すように、肩甲骨をしっかり開いて、体を真っ直ぐに保つようにしましょう。
- 膝が曲がっている
- 膝が曲がると、体幹への負荷が減少し、効果が減少します。負荷を軽くするときは膝をつき、膝から上を一直線にまっすぐ保つようにしましょう。あくまでも地面に接地しているポイントより上は一直線ということになります。
- 負荷の調整
- もし30秒続けるのがつらい場合は時間を短くしたり、慣れるまで両膝をつけて行ったりしても構いません。慣れてきたら、肘先をより前に出すことで負荷をさらに高めることもできます。
- 刺激の変化
- 脇腹をひねったり、片足を上げたりすると刺激や強度を変えることもできます。これらのバリュエーションについては後ほど解説します。
- 呼吸の管理
- 呼吸は止めずに自然な呼吸を意識して行いましょう。
フロントプランクの応用① フロントプランクアームレッグリフト
フロントプランクの応用となり、プランクの姿勢から片手と片足を上げる筋トレ方法です。

負荷が高くなるうえに、バランスをとることが難しくなり、バランスをとるために多くの筋肉を使用することになります。
負荷の強度を上げ、刺激に変化を加えることができます。
トレーニング難易度は高くなりますが、効果的に体幹を鍛えることができます。
方法
- 床にうつ伏せになって膝をつき、フロントプランクの姿勢をとります。
- 左右片方の腕を真っすぐ伸ばし、伸ばした腕と反対側の脚を真上に持ち上げます。
- 肩肘、片足の状態で姿勢を平行にキープします。身体が斜めに傾いたり、ぐらついたりしないように、うまくバランスを取りましょう。
- 目安としては、1セット30秒で行ってみましょう。
- 持ち上げる手と足を変えて、反対のパターンも忘れずにバランスよく行いましょう。
サイドプランク
「サイドブリッジ」といわれることもあります。
プランクを横向きに行うことで腹斜筋に負荷を加えることができます。
また、骨盤が落ちないように支えるために、外転筋群(中臀筋・小臀筋など)にも効果的です。

方法
- 床の上で横向きに横たわります。
- 下側の肘を肩の真下で床に着き、下側の前腕と足を支点にして体を持ち上げます。このときに下側の上腕が床に対して垂直になるようにしましょう。さらに、下側の前腕は身体に対して垂直に置くと姿勢が安定します。上側の手は上側の腰に当てておきましょう。
- 上側の足は下の足に乗せるように重ねるか、下の足の前に置くようにセットしましょう。
- 頭からかかとまで身体が一直線になるように姿勢をキープします。
- この姿勢を30秒間を目安に維持します。
- 逆向きでも同じように行い、反対側もバランスよく鍛えるようにしましょう。
注意点
- 正しいフォームを維持する
- サイドプランクもプランク同様、頭からかかとまで身体がきれいに一直線になるように、姿勢をキープするようにしましょう。腰が上や下に沿ったり、身体が前かがみになったり逆に後ろに沿ったりしないように注意しましょう。
- 負荷の調整
- サイドプランクが難しい場合は、膝を床に着けて膝から上のサイドプランクを行うと負荷が軽くなります。
- 視点を定める
- 視線を前方に固定すると、体勢が安定しやすくなります。
- 呼吸の管理
- 呼吸は止めずに自然な呼吸を意識して行いましょう。
マウンテンクライム
マウンテンクライムは、上体を動かさずに体勢をキープする静的トレーニングと脚を交互に動かす動的トレーニングを組み合わせた種目です。
プランクの姿勢から、片方ずつ膝を胸に近づけるように引きつけます。

体幹を安定させながら脚を動かすことで、全身の筋力を鍛えることができます。
特に、コア(腹筋や背筋)に効果的であり体幹の強化に役立ちます。
また、有酸素運動としての効果もあり、脂肪燃焼・心肺機能の向上にも効果的です。
継続的に行うことで、全身の筋力と持久力が向上します。
方法
- 床の上に手と足をついて、腕を伸ばしたプッシュアップの姿勢を取ります。両手は肩幅に置き、体を一直線に保ちます。
- 片方の足は足先を床につけたまま、もう片足の膝を胸に近づけるように引き寄せます。
- もも上げをするイメージで左右の足を入れ替え、反対の足も同様の動きを行います。
- 左右の脚を交互に引き寄せる動作をリズムよく続けます。目標としては30秒を目安に行ってみましょう。
注意点
- 呼吸を止めない
- トレーニング中は息を止めず、リズミカルに呼吸しましょう。
- 姿勢の維持
- 肩とお尻が同じ高さになるところを目安に腹筋に力を入れて固定し、お尻が上下に揺れないようにしましょう。また、肩の位置も動かないように、しっかりと体を支えましょう。
- 動作のコントロール
- リズミカルに動作を行いますが、その動作の中でも膝を胸にしっかりと引き寄せることで、腹筋への効果が高まります。フォームを崩さないように注意しましょう。
スパイダープランク
マウンテンクライムと同様に上体を動かさずに体勢をキープする静的トレーニングと脚を交互に動かす動的トレーニングを組み合わせた種目です。
プランクの姿勢から、片方の足の膝を横から外側へ回しこむように上半身側へ引きつけます。

体幹を中心に全身の筋肉を鍛えることができるトレーニングで、特に腹筋や背筋などの体幹の筋肉を強化する効果があります。
足を横から回しこむ動作により、腹斜筋の強化や柔軟性の維持にも役立ちます。
脇腹の引き締めにも効果的です。
方法
- 肘をついたプランクの姿勢をとります。
- 姿勢を維持したまま、片方の膝を横方向に外側から回しこむように上半身に近づけます。
- 元に戻したら反対の膝も同様に行います。
注意点
- 正しいフォームで行う
- プランクと同様に身体を真っ直ぐに保つようにしましょう。
- バランスを崩さないように行う
- しっかり体幹の力を使い、上半身が回転しないようにしましょう。
- ゆっくりとした動作で行う
- ゆっくりとした動作で、膝をしっかりと上半身に近づけるようにしましょう。
ドローイン
呼吸を使って、深部腹筋である腹横筋などのお腹のインナーマッスルを鍛える体幹トレーニングです。
腹横筋は下位肋骨を下方に引き下げる作用を持ち、腹式呼吸において腹をへこませ息を吐く時の主力筋となります。
よって、腹式呼吸に負荷を加えてトレーニングを行うことが有効となります。
腹横筋が鍛えられると、内側から下腹部を引き締める効果が働くようになるため、お腹の引き締めが期待できます。
また姿勢の改善、腰痛の改善も期待できます。
ドローインは慣れるまでは仰向けで行った方がやりやすいと思いますが、コツがつかめれば立位や座位で行うこともできます。
場所や時間を選ばずに行うことができるため、ほんの少しのスキマ時間にもトレーニング可能です。
方法
- 床に仰向けの姿勢で寝て、足を腰幅に開き両膝を立てます。両手はお腹に添えておくと、呼吸によるお腹の動きを確認しやすくなります。
- 鼻からゆっくりと息を吸ってお腹を大きく膨らませるように、腹式呼吸をします。

- 引き続き、腹式呼吸を意識してヘソを背中に近づけていくイメージでお腹をへこませながらゆっくり口から息を吐きます。

- 息を吐き切り「これ以上へこまない」というレベルまでしっかりお腹をへこませた状態になったら、その状態をしばらくキープして浅く呼吸し続けます。
- 10〜30秒キープして、ゆっくり鼻から息を吸いながらお腹を緩めていきます。
ポイント
- 呼吸の調整
- 呼吸するときは、鼻から吸って口から吐きましょう。
- 呼吸を止めないように注意しましょう。特に、お腹をへこませた状態をキープしているときは、呼吸を止めがちなので、意識して浅い呼吸を繰り返しましょう。
- しっかり腹をへこませる
- 呼吸によるお腹の動きを確認したい場合は、両手をお腹に添えて行ってみましょう。
- 腹筋を意識して行う
- お腹をへこませるときは、お腹だけでなく脇腹や背中の筋肉も中心に寄せ集めるイメージで行うと筋肉の収縮を意識しやすくなります。
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