前回に続き、筋トレを始めて間もない方、もしくは筋トレを始めようと考えている方が抱きがちな疑問を、Q&A方式で紹介・回答していきたいと思います。
万人に対しての疑問や答えとはいえませんが、興味のある方は覗いていってください。
Q-5.トレーニングを行う日の大まかな流れは?
A. トレーニングメニューの計画を立てる → 栄養補給 →ウォーミングアップ
→ トレーニング → ストレッチ → 栄養補給 → 休息
解説)
1日のトレーニングの大まかな流れをまとめてみます。
①トレーニングメニューの計画を立てる
出来れば、週間単位でトレーニングスケジュールとトレーニングメニューを考えておくと、より計画的なトレーニングが行えます。
あまりトレーニングが行えない、もしくはトレーニングできるかどうかわからない不確定要素が強い週は、多くの筋肉を使うコンパウンド種目を多く取り入れ、一回のトレーニングで全身幅広く鍛えていく「全身法」が適しています。
高頻度でトレーニングを行える週は、「分割法」を取り入れターゲット以外の部位を休めながらトレーニングを行うのもいいでしょう。
もちろん全身法を続けるのもかまいませんが、高頻度で全身法を行う場合は、特定の筋肉に負荷が集中しすぎるとオーバートレーニングのリスクが高まります。
バランスを考え、適度に負荷を分散するようにしましょう。
自重トレーニングの範囲で行う場合は、よほどやりすぎない限りはオーバートレーニングのリスクは少ないのであまり気にする必要はありませんが、やはりバランスは考えてメニューを組む方がよいでしょう。
最初から過度に追い込むようなトレーニングを行うと、気力の維持ができず長続きしない原因になります。
無理のないペースで行うことをお勧めします。
多関節運動(コンパウンド種目)
2つ以上の関節と筋肉が動く運動(種目)のこと。
複数の筋肉群と関節を使用し鍛えることができます。
股関節と膝関節、足関節が動くスクワットや、肩関節と肘関節が動く腕立て伏せなど。
単関節運動(アイソレーション種目)
1つの関節と筋肉だけが動く運動(種目)のこと。
特定の部位を集中して鍛えることができます。
肘関節だけが動くアームカールや、膝関節だけが動くレッグエクステンションなど。
全身法
特徴 : 一度のトレーニングで全身の主要な筋肉群をすべて鍛える方法。
メリット : 一度のトレーニングで全身をまんべんなく鍛えられるので、
あまりトレーニングを行えない忙しい方や初心者に向いている。
中級者から上級者にも有効。
分割法
特徴 : 全身の筋肉を分割し、一度のトレーニングで特定の部位を集中的に鍛える方法。
例えば、月曜日は胸と三頭筋、水曜日は背中と二頭筋、金曜日は脚、など。
メリット : 特定の筋肉群を集中的に鍛え、対象となる日以外はその筋肉群を休息させることができる。
高頻度でトレーニングを行うことが可能な方、中級者から上級者に向いている。
②栄養補給
トレーニング前に栄養補給を行い、空腹でのトレーニングは避けるようにしましょう。
空腹の状態でトレーニングを行うと、エネルギー不足のためトレーニングの質が低下してしまいます。
また、カタボリック(筋分解)が優位な状態となり逆効果です。
胃腸への負担も考慮して、トレーニングの60~90分程度前に、プロテインと軽く炭水化物を摂取しておくとカタボリックを抑えることができます。
食事としてしっかり摂取する場合は、食事から2時間ほど経ってトレーニングを行うと、消化不良を起こす可能性が低くなり、筋トレに集中することができます。
③ウォーミングアップ
トレーニング前にはウォームアップを行い、筋肉を温めると同時に柔軟性を高めておくことをお勧めします。
ウォーミングアップには動的ストレッチを取り入れると効果的です。
怪我の予防とパフォーマンスアップが期待できます。
広い可動域でトレーニングを行うことで、トレーニングの効果も十分得られるようになります。
④トレーニング
トレーニングを始めたばかり、またはこれから始める初心者の方は、大きな筋肉そして多くの関節を動かすコンパウンド種目のトレーニング(自重トレーニングであれば、腕立て伏せやスクワットなど)がお勧めとなります。
また、トレーニングの多くには体幹が重要になります。
体幹を支えるために重要な腹筋も最後に取り入れるようにするといいでしょう。
⑤ストレッチ
体の柔軟性を維持するためにも、トレーニング後のストレッチをお勧めします。
柔軟性の向上はトレーニングでの可動域の向上と怪我の予防にも役立ちます。
また、ストレッチは筋肉の張りをほぐし、リラックス効果と血流促進効果により疲労回復を促す効果もあります。
トレーニング後のストレッチは静的ストレッチがおすすめです。
⑥栄養補給
トレーニングも大事ですが、筋肉を作る源となる栄養補給も重要です。
特にトレーニング後30分はゴールデンタイムともいわれ、タンパク質の吸収が高まる時間帯となります。
トレーニング後はプロテインでタンパク質を補給することをお勧めします。
トレーニング直後に摂るプロテインは、吸収の早いホエイプロテインがお勧めです。
それから、日頃の食事にも気を配りましょう。
トレーニングを行うと、通常と比べて多くのエネルギーを消費します。
また、筋肉の回復に必要な栄養量も増えます。
せっかくトレーニングをしても材料(栄養)がなければ筋肉は成長しません。
バランスの良い食事を心がけ、適切なカロリーと筋肉の材料となるタンパク質を食事から摂取することを忘れないようにしましょう。
⑦休息
睡眠時間をしっかり確保するようにしましょう。
成長ホルモンやテストステロンは睡眠中にも分泌が促進されますので、筋肉の回復・成長に睡眠時間の確保は非常に重要となります。
ある研究によると、睡眠不足はテストステロンレベルを有意に低下させることが明らかにされています。
その研究データによれば、7~8時間の睡眠時間が最もテストステロンレベルを高く保つことができたという報告があります。
できれば、7~8時間を目標に睡眠時間は確保したいところです。
入浴後~入眠までの間に静的ストレッチを行っておくと、身体の柔軟性の向上と同時にリラックス効果も得られ、入眠に適した副交感神経優位な状態へと切り替えが行いやすくなります。
質の高い睡眠を得やすい状態となるため、お勧めとなります。
また、自重トレーニングの範囲であれば、あまり気にする必要はありませんが、ウエイトを使用するなどで一つの筋肉群を集中的に鍛えた場合は筋肉の修復に48~72時間程かかるため、この間隔を目安にトレーニングすることで効果的に筋肉を付けることができます。
一つの筋肉を集中的に鍛えた場合は、その筋肉は1~2日休ませるといいでしょう。
これらのポイントを押さえつつ、自分の体調や目標に合わせて無理のない範囲で筋トレを行うことが大切です。
また、筋トレは継続が重要なので、無理をせず長く続けられるような計画を立てることをお勧めします。
Q-6.トレーニングの種目は具体的に何をすればいい?
A.未経験者・初心者で「筋トレを何から始めたら良いかわからない」という方のために
トレーニングの具体例をあげてみます。
あくまでも一例であり人それぞれ好みや条件が違いますので、あくまで参考程度にご覧いただき自身に合うようにカスタマイズされて下さい。
メニュー作成の条件
未経験者・始めたばかりの初心者向けのメニューとして作成してみます。
まず、初めなので道具の要らない自重トレーニングのみでトレーニングメニューを組んでいきます。
トレーニングメニューは1週間単位で組み立てていきます。
はじめは無理のないように1日2種目の3セット、時間にすると10~15分といったところでしょうか。
以上の条件で組み立ててみます。
可能であれば、各部位に対して週2回以上のトレーニングを行いたいところですが、とりあえずということでご了承ください。
トレーニングの際の注意点
トレーニング動作はゆっくり(特に体を下ろすとき)行ってください。
各種目3セット行い、セット間には30秒から1分の休憩を取ってください。
道具は要らないとは言いましたが、できればトレーニングマットはほしいところです。
なければ、ラグマットなど少しでもクッション性のある敷物の上で行うことをおすすめします。
1週間のトレーニングメニューの一例
・月曜日:【胸・腕を中心に鍛える】
プッシュアップ10回×3セット、トライセプスディップス10回×3セット
・火曜日:【下半身を中心に鍛える】
スクワット: 15回×3セット、ヒップリフト10回×3セット
・水曜日:【腹筋・背中を中心に鍛える】
バックエクステンション10回×3セット、クランチ10回×3セット
・木曜日:【肩を中心に鍛える】
パイクプッシュアップ10回×3セット、リバースエルボープッシュアップ10回×3セット
・金曜日:【下半身を中心に鍛える】
ブルガリアンスクワット10回×3セット、片足カーフレイズ左右各15回×3セット
・土曜日:【腹筋・背中を中心に鍛える】
テーブルロウ10回×3セット、レッグレイズ10回×3セット
・日曜日:【休息日】
各部位・各種別のトレーニングの方法や注意点は、いずれ解説していきます。
詳細はそちらをご参照ください。
Q-7.どのくらいの頻度で筋トレをすればいい?
A. 最初は短時間(10~15分程度)で、可能な限り毎日行う。
まとまった時間(30分~60分程度)が確保できる方は、週に2~3回を目安に始めてみましょう。
解説)
筋トレを始めたての方は、短時間(10~15分程度)で、可能な限り毎日行うことを目指してみましょう。
もちろん、仕事や勉強や家事で忙しいとき、疲れているとき、どうしても気が乗らないときは、無理せず休んでも大丈夫です。
ある程度時間(30分~60分程度)が確保できる方は、週に2~3回を目安にトレーニングを始めるといいでしょう。
最初はやる気があるため物足りないかもしれませんが、無理なくトレーニングを始めるとこで、筋肉に適応する時間を与えつつトレーニングの習慣化を身につけることができます。
慣れてきたら無理のない範囲で、トレーニング頻度・時間・負荷を増やしていきましょう。
トレーニング頻度を増やせる場合は、日によって特定の筋肉群を対象に鍛えていく「分割法」を取り入れてもいいでしょう(例えば、月曜日は胸と肩、火曜日は背中と腕など)。
分割法を取り入れることにより、集中的にトレーニングを行いトレーニング技術の習得を促進しつつ、分割した筋肉に十分な回復時間を与えることもできます。
自重トレーニングの範囲であれば、あまり気にする必要はありませんが、ウエイトを使用するなどで一つの筋肉を集中的に鍛えた場合は、筋肉の修復に48~72時間程かかるため、この間隔を目安にトレーニングを行うことで、効果的に筋肉を付けることができます。
一つの筋肉を集中的に鍛えた場合は、その筋肉は1~2日休ませるといいでしょう。
もちろん、1日で全身を鍛える全身法を用いて、特定の部位に大きく負担をかけずに回復時間を短縮し、トレーニング頻度を上げるという考えでも構いません。
それぞれの特徴・長所・短所を理解したうえで自分に合った方法で行いましょう。
ただし、トレーニング頻度が週1~2回程度しか確保できない場合や、トレーニングスケジュールが不確定な場合は、全身法でトレーニングされることをお勧めします。
少ないトレーニング頻度でも、1回トレーニングを行うことで、理論上は全身に刺激が入ることになります。
各筋肉群に対して、トレーニングの間隔が開きすぎるのを防ぐ対策となります。
体調のすぐれない日、強い筋肉痛、肉体の疲労を感じるときは無理をせず休むようにしましょう。
筋トレは継続が重要なので、長く続けられるように無理のない計画を立てることをお勧めします。
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