グリップ別の違いを初心者向けに解説!
懸垂は主に背中をターゲットとするトレーニングです。
しかし、懸垂はフォームの違いによって、鍛えられる部位や筋肉への刺激が大きく変わります。
今回は、懸垂フォームによる効き方の違い、背中を狙いたい場合のフォームや腕に効きやすくなるフォームなど目的別におすすめの懸垂フォームについて、初心者の方にも分かりやすく解説します。
懸垂の基本フォーム
フォームに変化をつける場合、基礎となるフォームが身についていないと、どのやり方でも十分な効果を得にくくなります。
そのため、まずは基本的な懸垂フォームを習得していることが前提となります。
以前、以下のスタイルを基本的な懸垂フォームとして行うことをおすすめしました。
・順手(オーバーグリップ)
・肩幅~やや広め程度の手幅
・肩をすくめず、肩甲骨を下げた状態からスタート
・反動を使わず、動作をコントロールしながら行う
・胸をバーに近づける意識で体を引き上げる
詳しくは以下の記事を参照ください。
懸垂(チンニング)で主に鍛えられる筋肉
懸垂は背中のトレーニングとして知られていますが、実際には複数の筋肉が同時に働く「複合種目」です。
主に使われる筋肉は以下の通りです。
メインターゲットとなる筋肉
・広背筋(背中の中でも最も大きな筋肉)
補助的に使われる筋肉
・上腕二頭筋(腕の前側)
・僧帽筋(背中上部)
・大円筋(脇の下あたり)
・菱形筋(肩甲骨の内側)
・前腕筋群
※フォームによって「どの筋肉の負担が大きくなるか」が変わります。
懸垂のフォーム調整
同じ懸垂でも、フォームを変えることで効かせたい部位を調整することができます。
肘の動きが筋肉の使われ方を変える
懸垂では、体を引き上げる際の「肘の動き」によって、どの筋肉が強く使われるかが変わります。
例えば、
・肘を体の後方に引く意識が強いと、背中に効きやすく
・肘を体の前方へ引き下げる意識が強いと、腕の関与が大きくなります。
グリップ幅・握り方で関与する筋肉が変わる
さらに、懸垂(チンニング)は手幅や手の向きによっても、使われやすい筋肉やトレーニングの難易度が変化します。
グリップ幅(手幅)による違い
懸垂の「手幅」によるバリエーションには、標準的な手幅で行う『ミドルグリップ』、手幅を狭く設定する『ナローグリップ』、手幅を広く設定する『ワイドグリップ』があります。
手幅を変えることで、刺激の入りやすい部位や動作の難易度が変わるのが特徴です。
・ナローグリップ
手幅を肩幅と同程度、もしくは肩幅より狭く設定する
→ 腕の関与が大きく、初心者でも行いやすい
・ミドルグリップ
手幅を肩幅よりやや広い程度に設定する
→ 背中と腕をバランスよく使いやすい
・ワイドグリップ
手幅を肩幅より大きく広げる(肘が外に開く位置)
→ 背中への刺激が強くなりやすい
手幅狭め(ナローグリップ)

手幅の目安
肩幅と同程度、もしくは拳1個分ほど内側に寄せた幅が一般的です。
特徴・効果
腕の動きが体に近くなり、肘関節の可動域も大きくなるため、背中だけでなく腕の関与が大きくなるのが最大の特徴です。
背中の筋肉では、広背筋の下部を意識しやすくなります。
また、「背中+腕」で引き上げることができるため、ワイドグリップと比べて挙上が楽に感じやすく、回数を伸ばしやすい傾向があります。
デメリット
・背中への刺激が分散しやすい
腕の関与が大きくなるため、「背中だけを強く狙いたい」という場合は刺激が分散しやすくなります。
広背筋を最大限狙いたい場合は、ワイドグリップの方が適しているケースもあります。
・腕が先に疲れやすい
腕の関与が大きくなるため、背中よりも腕が先に限界を迎えることがあります。
主に使われる筋肉
・上腕二頭筋(特に逆手で顕著)
・上腕筋
・広背筋(下部寄り)
・前腕筋群
ナローグリップがおすすめな人
・懸垂で腕を鍛えたい人
懸垂で腕の関与を増やしたい場合に適しています。
※ 上腕二頭筋を狙う場合は、逆手(回外位)で行う
・広背筋下部を狙いたい人
背中の筋肉に関しては、広背筋の下部を意識しやすくなります。
ただし、ナローグリップでは腕の関与が大きくなりやすいため、背中への刺激が弱くなる傾向があります。
背中の筋肉に効かせるためには、肘を下に引くのではなく、体の後ろへ引く意識を持つことが重要です。
・回数を伸ばしたい人
できるだけ多くの回数を行いたい場合、ナローグリップは有利になることがあります。
・軽めに引き上げたい人
懸垂トレーニング初心者
懸垂がまだ数回しかできない段階
ワイドグリップだと難しく感じる場合
ナローグリップが有効となる場合があります。
肩幅~やや広い程度(ミドルグリップ)

手幅の目安
肩幅よりやや広め程度が一般的です。
目安としては、肩幅+拳1個分ほど外側に手を広げた位置になります。
特徴・効果
ミドルグリップ懸垂は、背中と腕をバランスよく使いやすい、最も標準的なフォームです。
肘を体のやや外側から後ろへ引く動作になるため、広背筋全体に安定して刺激が入りやすくなります。
また、腕の関与が強くなりすぎないため、背中を主動筋として使う感覚をつかみやすいのも特徴です。
懸垂の基本フォームとして適しており、フォーム習得や背中トレーニングの土台として活用できます。
デメリット
・特化した刺激は得にくい
ミドルグリップはバランスの良いフォームである反面、広背筋の広がりを強く狙う、あるいは腕を集中的に鍛えるといった「特化した刺激」は得にくい傾向があります。
特定の部位を重点的に鍛えたい場合は、ナローグリップやワイドグリップとの併用が効果的です。
・フォームが曖昧になりやすい
標準的なフォームであるがゆえに、意識が弱いと腕主体の引き上げになりやすい点には注意が必要です。
動作の初動で肩甲骨を下げ、胸を軽く張る意識を持つことで背中への刺激を維持しやすくなります。
主に使われる筋肉
・広背筋(全体)
・上腕二頭筋(逆手で顕著)
・上腕筋
・僧帽筋(中部〜下部)
・大円筋
・菱形筋
・前腕筋群
ミドルグリップがおすすめな人
・背中や腕の筋肉をバランスよく鍛えたい人
背中を主動筋として使いつつ、腕の筋肉も適度に使いやすくなります。
広背筋全体と腕の筋肉をバランスよく鍛えたい場合に適しています。
・懸垂の基本フォームを身につけたい人
ミドルグリップは、懸垂の基本となるフォームです。
これから懸垂を習得したい人や、フォームを見直したい人に適しています。
・他のグリップの土台として使いたい人
ナローグリップやワイドグリップを行う際も、ミドルグリップでの安定した動作が基礎になります。
他のフォームに挑戦する前段階としても有効です。
手幅広め(ワイドグリップ)

手幅の目安
肩幅より大きく手幅を広げた位置で行います。
目安としては、肩幅の1.5倍前後で、肘が自然と外側に開く位置になります。
※ 無理に広げすぎる必要はありません。
特徴・効果
ワイドグリップ懸垂は、背中への刺激を最も強く感じやすいフォームです。
手幅を広げることで肘が外側に開き、腕の曲げ伸ばし動作が制限されるため、腕よりも背中への負荷が集中しやすくなります。
特に、広背筋の上部〜外側に刺激が入りやすく、背中の「広がり」や逆三角形を作りたい場合に適しています。
一方で、腕の関与が小さくなるため、ナローやミドルに比べて挙上は難しく感じやすいフォームです。
デメリット
・難易度が高い
腕の力を使いにくいため、懸垂初心者にとっては難易度が高く、回数が大きく落ちやすい傾向があります。
十分な回数ができない場合は、ミドルグリップで筋力をつけてから行うのがおすすめです。
・可動域が狭くなりやすい
手幅が広い分、動作の可動域が狭くなりやすく、フォームが崩れると十分な刺激を得にくくなります。
反動を使わず、胸をバーに近づける意識で丁寧に行うことが重要です。
主に使われる筋肉
・広背筋(特に上部〜外側)
・僧帽筋(中部〜下部)
・大円筋
・前腕筋群(補助的)
※ 腕の筋肉の関与は比較的小さくなります。
ワイドグリップがおすすめな人
・背中をメインで鍛えたい人(背中の広がりを作りたい人)
ワイドグリップは、広背筋の横方向への広がりを狙いやすいフォームです。
逆三角形の体型を目指す場合に適しています。
・ある程度懸垂ができる中級者以上
ナローやミドルで安定して回数ができる人であれば、ワイドグリップでもフォームを崩さず行いやすくなります。
背中への刺激をさらに強めたい段階で有効です。
・他のフォームと組み合わせて使いたい人
ナロー・ミドル・ワイドを使い分けることで、背中全体をバランスよく鍛えることができます。
ワイドグリップは、背中の仕上げや重点的な刺激として活用できます。
手の向きによる違い
懸垂の「手の向き」によるバリエーションは、大きく 『順手(プルアップ)』 と 『逆手(チンアップ)』に分けられます。
手の向きを変えることで、腕と背中のどちらをより使いやすくなるかが変化します。
また、それ以外にも 内向きに握るグリップ や 角度の付いたグリップ、自由に回転するグリップ など、さまざまな種類が存在します。
これらの違いを理解することで、目的に応じた懸垂フォームを選びやすくなります。
・順手(プルアップ)
手の甲が自分の方を向く握り方
→ 背中の関与が大きくなりやすい
・逆手(チンアップ)
手のひらが自分の方を向く握り方
→ 腕(上腕二頭筋)が使われやすい
・内向き・角度の付いたグリップ(パラレル/ニュートラルグリップ)
手のひら同士が向かい合う握り方
→ 肩や肘への負担が比較的少ない
・自由に回転するグリップ(フリーグリップ)
握り部分が回転するタイプ
→ 関節への負担を抑えやすい反面、不安定となりやすい
それぞれの握り方には明確な特徴があるため、手幅と同様に、目的に応じて使い分けることが重要です。
順手(プルアップ)

握り方
手の甲が自分の方を向く形(オーバーハンドグリップ)で行います。
※ 手幅はナロー・ミドル・ワイドのいずれでも行えます。
特徴・効果
順手(プルアップ)は、懸垂の中でも背中をメインに鍛えやすい握り方です。
手背が自分の方に向くことで上腕二頭筋の関与が抑えられ、広背筋や大円筋など、背中の筋肉が主動筋になりやすくなります。
特に、肘を体の斜め後ろへ引く意識を持つことで、背中全体に安定した刺激を入れることができます。
背中の広がりや厚みを狙う場合に適したフォームです。
デメリット
・難易度が高くなりやすい
腕の関与が小さくなる分、逆手(チンアップ)と比べて挙上が難しく感じやすく、回数が伸びにくい場合があります。
主に使われる筋肉
・広背筋(特に上部)
・大円筋
・僧帽筋(中部〜下部)
・上腕筋
・前腕筋群
※ 上腕二頭筋の関与は比較的少なめです。
順手(プルアップ)がおすすめな人
・背中をメインに鍛えたい人
腕の関与を抑え、背中を主動筋として使いたい場合に最適です。
広背筋の広がりや厚みを狙うトレーニングに向いています。
・正しい懸垂フォームを身につけたい人
順手は、懸垂の基本的な握り方です。
背中で引き上げる感覚を身につけやすいため、懸垂フォームの基礎習得にも適しています。
逆手(チンアップ)

握り方
手のひらが自分の方を向く形(アンダーハンドグリップ)で行います。
※ 手幅はナロー・ミドル・ワイドのいずれでも行えますが、ナロー〜ミドル幅が一般的です。
特徴・効果
逆手(チンアップ)は、懸垂の中でも腕の関与が大きくなる握り方です。
手のひらが自分の方を向くことで上腕二頭筋が強く働き、肘の曲げ伸ばし動作を使いやすくなります。
そのため、背中だけでなく腕の力を使って引き上げやすく、順手(プルアップ)と比べて挙上が楽に感じやすい傾向があります。
背中では、広背筋の下部を意識しやすくなります。
デメリット
・腕の疲労が先に来やすい
上腕二頭筋の関与が非常に大きいため、背中よりも腕が先に限界を迎えることがあります。
背中の筋肥大が目的の場合は、肘を下に引く意識だけでなく、体の後ろへ引く意識を持つことが重要です。
・肘への負担がかかりやすい
逆手は腕の関与が大きい分、肘関節に負担がかかりやすいため、無理な重量や反動を使った動作には注意が必要です。
肘に違和感がある場合は、手幅をやや広げる、もしくはパラレルグリップを使用するのも一つの方法です。
・背中への刺激が分散しやすい
腕の関与が大きくなるため、「背中だけを強く狙いたい」という場合は刺激が分散しやすくなります。
背中の筋肥大が目的の場合は、肘を下に引くのではなく体の後ろへ引く意識を強く持つことが重要です。
広背筋を最大限狙いたい場合は、順手(プルアップ)の方が適しているといえます。
主に使われる筋肉
・上腕二頭筋
・上腕筋
・広背筋(下部寄り)
・前腕筋群
逆手(チンアップ)がおすすめな人
・懸垂初心者・回数を伸ばしたい人
腕の力を使いやすいため、比較的挙上しやすい懸垂フォームです。
懸垂初心者でも力を出しやすいため、「まずは懸垂ができるようになりたい」という段階に適しています。
・懸垂で腕(特に上腕二頭筋)を鍛えたい人
自重トレーニングで上腕二頭筋をしっかり刺激したい場合に効果的です。
アームカールの補助種目としても活用できます。
・広背筋下部を意識したい人
逆手では、広背筋の下部を意識しやすい傾向があります。
ただし、腕主体になりやすいため、背中を狙う場合はフォーム意識が重要です。
内向き・角度の付いたグリップ(パラレル/ニュートラルグリップ)

握り方
手のひら同士が向かい合う形でバー(または専用グリップ)を握ります。
一般的には、肩幅前後の手幅で行うことが多くなります。
※ パラレルグリップ対応の懸垂バーや、ディップスバーを使用します。
特徴・効果
パラレル(ニュートラル)グリップは、背中と腕をバランスよく使いやすい握り方です。
順手と逆手の中間的なポジションになるため、上腕二頭筋の関与が適度にありつつ、背中の筋肉(広背筋・大円筋)にも刺激を入れやすくなります。
さらに、手のひら同士が向かい合う内向きのポジションでは、前腕が自然な中間位となるため、前腕筋群のひとつである腕橈骨筋にも刺激が入りやすくなります。
また、肩関節や肘関節への負担が比較的少なく、自然な腕の動きで引き上げやすいのも大きな特徴です。
デメリット
・専用器具が必要な場合がある
パラレルグリップは、専用の懸垂バーやアタッチメントが必要になる場合があります。
通常のストレートバーしかない環境では、実施できないこともあります。
・刺激がマイルドに感じやすい
関節への負担が少なく安定して行える反面、順手やワイドグリップと比べると背中への刺激がややマイルドに感じることがあります。
強い刺激を求める場合は、他のグリップと組み合わせて使うのがおすすめです。
主に使われる筋肉
・広背筋
・大円筋
・僧帽筋(中部〜下部)
・上腕二頭筋
・上腕筋
・腕橈骨筋
・前腕筋群
パラレル(ニュートラル)グリップがおすすめな人
・肩や肘に不安がある人・関節への負担を抑えたい人
関節にかかるストレスが比較的少ないため、肩や肘に違和感がある場合でも取り入れやすいフォームです。
・背中と腕をバランスよく鍛えたい人
背中と腕のどちらにも極端に偏らず、バランスよく刺激を入れたい場合に適しています。
・順手や逆手で違和感を感じる人
自然な動作で引き上げやすく、順手や逆手でやりづらさ感じる人にも向いています。
自由に回転するグリップ(フリーグリップ)
グリップの特徴
フリーグリップは、握り部分が自由に回転する構造の懸垂用グリップです。
固定された手の向きに縛られず、動作中に自然な手首の角度へ変化するのが最大の特徴です。
※ 市販のアタッチメントや吊り下げ式グリップを使用します。
特徴・効果
動作中に手首や肘、肩の角度が自然に変化するため、関節への負担を最小限に抑えやすく、可動域を広く取りやすいグリップです。
引き上げる動作の中で、順手・逆手・パラレルの要素が自然に混ざるため、背中と腕をバランスよく使いやすくなります。
違和感の出やすい固定グリップに比べ、スムーズな動作で懸垂を行いやすいのも特徴です。
デメリット
・動作が不安定になりやすい
グリップが回転する分、固定グリップに比べて動作が不安定になりやすく、高い筋力やコントロールが求められます。
懸垂に慣れていない場合は、回数が落ちやすい傾向があります。
・導入環境が限られる
専用のアタッチメントが必要になるため、設置環境が限られる点がデメリットです。
主に使われる筋肉
・広背筋
・大円筋
・僧帽筋(中部〜下部)
・上腕二頭筋
・前腕筋群
※ 固定グリップよりも安定筋の関与が増えやすくなります。
フリーグリップがおすすめな人
・肩・肘・手首への負担を抑えたい人
関節の動きが自然になるため、
違和感が出やすい人でも取り入れやすいフォームです。
・他のグリップで痛みや違和感を感じる人
順手・逆手・パラレルで関節に違和感が出る場合の代替手段として有効です。
・懸垂に慣れている中級者以上
動作の安定性が求められるため、ある程度懸垂に慣れている人に向いています。
補助的・調整用のグリップとして活用しやすいです。
・機能的な筋力や安定性を高めたい人(競技者やアスリート向け)
動作中に手首・肘・肩の角度が常に変化するため、筋力だけでなく、関節の安定性やコントロール力が求められます。
そのため、競技パフォーマンス向上を目的とするアスリートや、実践的・機能的な筋力を高めたい人に適しています。
ただし、安定性が低く難易度も高いため、基礎的な懸垂が安定して行えることが前提となります。
目的別おすすめ懸垂フォームまとめ
懸垂は、手幅・握り方・フォームを調整することで、鍛えたい部位や目的に合わせたトレーニングが可能です。
ここでは、目的別におすすめの懸垂フォームを整理して紹介します。
背中をしっかり鍛えたい人(広背筋メイン)
おすすめフォーム
- 順手(オーバーグリップ)
- ミドル 〜 ワイドグリップ
- 胸をバーに近づける意識
理由
順手かつやや広めの手幅では、肘の曲げ動作よりも「肩を引き下げる・寄せる」動きが強調され、広背筋や大円筋への刺激が入りやすくなります。
背中の筋肥大を狙う場合は、反動を使わず、胸をバーに近づけるように肘を体の後ろに引く意識を持つことが重要です。
なお、背中に効かせるための基本的な懸垂フォームについては、こちらで詳しく解説していますので、ご参照ください。
懸垂の回数を増やしたい人
おすすめフォーム
- ナロー 〜 ミドルグリップ
- 逆手(チンアップ)またはパラレルグリップ
理由
手幅を狭めたり、腕の関与が増える握り方にすることで、背中+腕の力を使って引き上げやすくなります。
懸垂がまだ数回しかできない段階では、ワイドグリップよりも回数を伸ばしやすい傾向があります。
腕(特に上腕二頭筋)を鍛えたい人
おすすめフォーム
- 逆手(チンアップ)
- ナロー〜ミドルグリップ
- 顎をバーの上まで引き上げる意識
理由
逆手では肘を曲げる動作が強調され、上腕二頭筋や上腕筋の関与が大きくなります。
懸垂で腕を鍛えたい場合は、顎をバーより上まで引き上げるように「肘を曲げて引く」意識をやや強めると効果的です。
なお、上腕二頭筋に効かせるための懸垂フォームについては、こちらで詳しく解説していますので、ご参照ください。
背中と腕をバランスよく鍛えたい人
おすすめフォーム
- パラレル(ニュートラル)グリップ
- ミドルグリップ
理由
パラレルグリップは順手と逆手の中間的なポジションとなり、背中と腕の両方にバランスよく刺激を入れやすいのが特徴です。
また、関節への負担が比較的少なく、フォームを安定させやすいため、継続しやすい点もメリットです。
肩・肘への負担を抑えて行いたい人
おすすめフォーム
- パラレル(ニュートラル)グリップ
- ミドルグリップ
理由
手首・肘・肩が自然な角度になりやすく、関節へのストレスが比較的少ないフォームです。
違和感や軽い痛みがある場合は、無理に順手・ワイドにこだわらず、まずはパラレルグリップを選択するのがおすすめです。
機能的な筋力・安定性を高めたい人(中〜上級者・競技者向け)
おすすめフォーム
- 自由に回転するグリップ(フリーグリップ)
- ミドルグリップ
理由
フリーグリップでは動作中にグリップが回転するため、筋力だけでなく、関節の安定性やコントロール力が求められます。
競技パフォーマンス向上や、より実践的な身体操作能力を高めたい人に適しています。
※ 基本的な懸垂が安定して行えることが前提です。
まとめ
懸垂には、今回紹介したフォーム以外にも、応用的なバリエーションが存在します。
例えば、L字懸垂、タイプライター懸垂、キッピング懸垂、片手懸垂などがありますあげられます。
L字懸垂
両脚を前方に伸ばして体幹を固定した状態で、通常の懸垂動作を行うバリエーションです。
タイプライター懸垂
体を引き上げた状態から、左右に体重を移動させながら交互に片側ずつ引く懸垂です。
キッピング懸垂
下半身の反動やスイングを使い、勢いを利用して体を引き上げる懸垂です。
片手懸垂
片腕のみで体を支え、もう一方の手を使わずに引き上げる高難度の懸垂です。
これらの懸垂は、筋肥大や基本的な筋力向上を目的としたトレーニングというより、体幹の強化、動作スキル、最大筋力の向上などを目的とする種目です。
そのため、今回ご紹介した懸垂のフォーム調整が一通り行えるようになってから、目的に応じて取り入れることをおすすめします。
懸垂は、目的によって最適なフォームが変わるトレーニングです。
- 背中を集中的に鍛えたいのか
- 回数を増やしたいのか
- 腕も同時に鍛えたいのか
まず目的を明確にし、その目的に合ったフォームを選ぶことが、懸垂を効果的に行うための近道となります。




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