無理な腹筋トレーニングは腰痛の原因となる!
腰痛は多くの人々が抱える問題であり、日常生活の質を低下させるだけでなく、長期的な健康にも影響を及ぼします。
特に現代社会では、長時間の座り仕事や運動不足などが腰痛の原因となることが多く、適切な対策が求められています。
腹筋を含む体幹のトレーニングは、正しい姿勢を保つための筋肉の強化に有効です。
正しい姿勢を保つことで、腰痛を予防もしくは改善する効果が期待できます。
一方、無理にトレーニングを行ってしまうとトレーニング自体が腰痛を引き起こす要因となってしまうこともあります。
そこで今回は、『腹筋トレーニングによる腰痛を防ぐためのポイント』についてまとめてみました。
主な腰痛の原因
腰痛の原因は個人によって異なります。
主な原因としては、以下のような要素があげられます。
- 姿勢の悪さ: 長時間の不適切な姿勢は、腰に負担をかけます。
- 運動不足: 筋力の低下により、腰への負担が増加します。
- 過度な運動: 無理な運動や急激な動きは腰を痛める原因となります。
また、特定の病状や障害が原因である場合もありますので、すでに症状のある方は医師や専門家の助言を仰ぐことが重要となります。
腰痛の予防と改善方法
自分自身で行える腰痛対策としては、以下のような項目があげられます。
- ストレッチと運動: 筋肉を柔軟に保ち、強化するために定期的なストレッチや適切な運動を行いましょう。
- 正しい姿勢: 日常生活から、正しい姿勢を心がけることが大切です。
- 腰を温める: 腰を温めることで筋肉をリラックスさせ、痛みを和らげる効果があります。ただし炎症がある場合は、逆効果となる場合もあります。強い痛みがある場合は専門家の指示を仰ぐようにしましょう。
腰痛は一時的なものから慢性的なものまで幅広く存在しますが、早期に適切な対策を講じることで、その影響を抑えることができます。
筋力トレーニングと腰痛
姿勢や体の使い方が原因であれば、筋力トレーニングによる体幹の強化やストレッチにより腰痛の改善につながる可能性があります。
しかし、筋力トレーニングを行うことで腰痛が引き起こされる、もしくは悪化することもあります。
これは主にトレーニングの際に腰に余計な負荷がかかり、それが原因で腰痛を引起こすことが挙げられます
腹筋トレーニングにより、腰痛が発生もしくは悪化する主な原因
筋力トレーニングの中でも、腹筋や背筋のトレーニングは腰回りの筋肉を鍛えるため、腰痛の予防と改善にも効果的ですが、同時に腰痛の発生や症状が悪化する直接的な原因にもなりやすくなります。
腹筋トレーニングによって腰痛が引き起こされる主な原因として、そもそも腹筋が弱いことや腹筋の使い方がうまくできていない状態で無理な腹筋トレーニングをしていることが挙げられます。
まず、多くの人が‘’腹筋運動といえば‘’で思いつくシットアップで説明します。
体を起こすイメージとしては‘’腹筋を使って上体を持ち上げる‘’となりますが、実はそれだけではありません。
股関節屈筋群を使い脚の付け根・股関節から上体を持ち上げています。
そもそも、シットアップ自体が腹筋と股関節まわりの両方を鍛えるトレーニングです。
股関節屈筋群には腸腰筋・縫工筋・恥骨筋・大腿四頭筋の一つである大腿直筋などが含まれます。
体を起こすということはそれらの筋肉を使って骨盤や背骨を引き起こすということになります。
腹筋が弱い・腹筋の使い方がうまくできていない・背中がうまく丸められていないなどの理由で腹筋をあまり使わず上体を起こした場合、腹筋が上体を支える役割を果たせず必然的に腰が反ってしまいます。
結果、腰への負担が大きくなり、腰痛を引き起こす原因となります。
腹筋は上体を屈曲させる働きがあります。
腹筋を鍛える場合は、腹筋を収縮させて上体を屈曲させた結果上体が持ち上がることが正解であり、体を起こすことが目標とはなりません。
腹筋トレーニングで腰痛を予防するためのポイント
腹筋で腰痛を避けるためには、「腹筋の方法を工夫する」ことです。
段階を経てトレーニングしていきましょう
腰の負担度減らして腹筋を鍛える
腹筋を鍛えるためには、上半身を起こす動作は必ずしも必要ではありません。
腰痛を予防するためには、まずは腰への負担を減らすために、上半身を起こさない腹筋トレーニングで腹筋の使い方を覚えて、腹筋を強くしておきましょう。
具体的には、上体を起こすシットアップではなく上体を起こさず上体の屈曲に重きを置く「クランチ」を選択します。
クランチとシットアップは、どちらも腹筋を鍛える運動ですが、動作の範囲と鍛えられる筋肉に違いがあります。
クランチは、腹筋を集中的に刺激する運動です。
膝を曲げて足を床につけた状態で行います。
上半身を完全に起こすのではなく、肩甲骨が床から離れる程度まで上体を起こします。
腰への負担が少なく痛めるリスクが低いといえます。
さらに、体を起こさない分、腹筋に意識が集中しやすくなります。
腹筋を集中的に鍛えるトレーニングとなります。
シットアップは、より広範囲の筋肉を動員する運動です。
脚を固定して上半身を完全に起こす動作を行います。
腹筋だけでなく、股関節屈筋群(腸腰筋・大腿直筋など)、他の筋肉群も鍛えられます。
アスリートなど体幹を強くしたい人に推奨されることが多いです。
クランチは腹筋のトレーニングに特化しているため、ボディメイクに適しており、シットアップはインナーマッスルを含む複数の筋肉も鍛えるため、体幹強化に適しています。
腰の負担度減らして腹筋を鍛えるポイント(クランチ編)
1.膝を曲げて立てる
クランチを行う際には、膝を曲げて立てて行います。

膝を曲げることで腰が反りにくくなり、腹筋に効果的に刺激を加えることができます。
また、姿勢の安定化にもつながります。
2.骨盤を後傾させる
腹筋トレーニング時に腰が反ってしまうと、腰痛の原因となります。
骨盤を後傾させ、腰椎を床に密着させることで、腰が反るのを防ぎましょう。
3.腰を支点に上体を屈曲させる
腹筋を鍛える場合は、腹筋を収縮させて上体を屈曲させるということになります。
上半身を起こす必要はありません。
腰を支点に上体を屈曲させ、胸から上だけ肩甲骨を床から浮かすイメージで行いましょう。

4.へそを覗き込むように頭を起こし顎を引く
あごが上がると腰が反りやすくなるので、へそを覗き込むように頭を起こしてあごを引いた状態を作り、首から腰にかけての背骨全体が一本の弧を描くように上体を屈曲させます。
腹筋の使い方を覚えてから股関節屈筋群も鍛える
誤解してほしくないのは、体を起こすことが悪いというわけではありません。
問題は、体を起こす際に腹筋がうまく使いきれていない・腹筋が弱いなどの理由で、腹筋で上体を支えきれずに腰が反ってしまい、腰に無理な負担がかかってしまうことが腰痛の原因となるということです。
クランチで腹筋の使い方を覚え、腹筋の強化を行った次のステップとして、シットアップなどで腸腰筋を含む股関節まわりもしっかり鍛えるようにしましょう。
股関節屈筋群(腸腰筋・縫工筋・恥骨筋・大腿直筋など)は主に股関節を曲げる際に使う筋肉であり、歩行・走行・階段昇降・ボールを蹴る・寝た状態からの起き上がりなど、スポーツだけでなく日常生活においても非常に重要な役割を果たしています。
足の付け根から骨盤周りを安定させるうえでも、たいへん重要な役割を果たします。
股関節まわりの筋肉が弱くなると、股関節の安定性が悪くなり姿勢が崩れ腰痛の原因にもなります。
腰の負担を減らすためには、腹筋と共に股関節まわりを鍛えるトレーニングも効果的となります。
股関節屈筋群は腹筋を鍛えるときに一緒に鍛えられることが多く、シットアップ、レッグレイズ、バイシクルクランチなどが効果的です。
過度なトレーニングは避ける
上記のことに気を付けていても、腹筋運動を過剰に行えば腰痛を引き起こす原因となります。
腰痛を防ぐためには、過剰な腹筋トレーニングは避けましょう。
股関節まわりのストレッチを行う
股関節まわり、特に腸腰筋が硬いと可動域が制限されて腰に不快感や痛みを引き起こしたりする可能性があります。
足の付け根・股関節のストレッチすることも腰痛予防のポイントとなります。
腸腰筋のストレッチ
腸腰筋が硬くなると、以下のようなデメリットが生じる可能性があります。
1.股関節の可動域が狭まる
腸腰筋は股関節周囲の動きを制御します。
腸腰筋が硬くなると、股関節の動きが制限され、運動パフォーマンスが低下する可能性があります。
2.姿勢の悪化
腸腰筋は骨盤の位置を制御し、適切な姿勢を保つのに役立ちます。
腸腰筋が硬くなると、反り腰や猫背の原因になる可能性があります。
3.腰痛
腸腰筋が硬くなると、腰に大きな負担がかかり、腰痛の原因になる可能性があります。
定期的にストレッチを行うことで、股関節まわりの柔軟性を保ち、股関節の可動域を広げることで腰痛の予防や改善、姿勢の改善が期待できます。
腸腰筋のストレッチの一例
1.ランジストレッチ

立った状態から一歩前に出てランジのポーズをとります。
後ろの足の膝は床につけます。
このポーズで体を前に押し出し、後ろ足の脚の付け根を伸ばします。
30秒ほどストレッチした後、反対側も同様に行います。
膝をついてストレッチを行うためマットやクッションを利用して行いましょう。
2.バランスボールを使ったストレッチ
両足を腰幅に開きバランスボールの上に座ります。
ゆっくりと上半身を後ろに倒し、背中の下にボールが来るまで転がって移動します。

バランスを取りながらボールを前後に少し転がし、腹部と足の付け根をストレッチします。
30秒間程ストレッチを行いましょう。
腹筋と股関節両方にストレッチをかけられます。
ストレッチを行う際は、ゆっくりと呼吸を続け、無理のない範囲で行ってください。
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