【初心者向け】懸垂で上腕二頭筋を鍛えるフォームとコツ!
懸垂は、基本的に背中(主に広背筋)をメインターゲットとするトレーニングです。
しかし、グリップの向きや手幅、フォームを工夫することで、鍛えられる部位や筋肉への刺激は大きく変わります。
やり方次第では、上腕二頭筋にも強い刺激を与えることが可能です。
前回・前々回と、懸垂で背中(広背筋)をしっかり使うための基本的なコツを解説してきました。
一方で、上腕二頭筋をメインに鍛えたい場合は、背中を狙うフォームとは意識するポイントや動作がやや異なります。
そこで今回は、懸垂で上腕二頭筋を効果的に鍛えるためのコツと注意点について解説します。
初心者の方でも実践しやすい内容をまとめていますので、ぜひ最後まで確認してみてください。
懸垂の基本フォーム(メインターゲット:広背筋)
懸垂でフォームに変化をつける場合、まず基礎となるフォームが身についていないと、どのやり方で行っても十分な効果を得にくくなります。
そのため、上腕二頭筋を狙う前に、基本となる懸垂フォームを習得していることが前提となります。
当サイトでは、懸垂の基本フォームとして、広背筋をメインターゲットとした以下のスタイルをおすすめしています。
上腕二頭筋狙いのフォームと比較するためにも、ここで一度確認しておきましょう。
・順手(オーバーグリップ)
・肩幅~やや広め程度の手幅
・肩をすくめず、肩甲骨を下げた状態からスタート
・反動を使わず、動作をコントロールしながら行う
・胸をバーに近づける意識で体を引き上げる

より詳しいフォームやポイントについては、以下の記事で解説しています。
懸垂で上腕二頭筋に効かせる方法
冒頭で述べたように、懸垂はやり方次第で上腕二頭筋に強い刺激を与えることができます。
上腕二頭筋を狙った懸垂を習得できれば、ジムだけでなく、公園や自宅(懸垂バーを設置した場合)など、場所を選ばず腕のトレーニングを行うことが可能です。
🔴上腕二頭筋に効かせる 懸垂のやり方
上腕二頭筋をメインターゲットとする場合は、以下のポイントを意識して懸垂を行ってみましょう。
① バーの握り方(グリップ)
・逆手(アンダーグリップ)
・手幅は肩幅~やや狭め程度(ナローグリップ)
・サムアラウンドグリップ(親指をバーに巻く方法)でしっかり握る

② スタートポジション
・膝は伸ばした状態でも可
(軽く曲げると体が安定しやすい)
・肩をすくめず、軽く下げた状態を作る
・胸を正面へ向ける
・軽く負荷が乗るように、わずかに肘を曲げた状態で構える
・静止した状態から動作を開始する

③ 引き上げ動作(ポジティブ動作)
・腕の力で体を引き上げるイメージを持つ
・顎をバーの上へ引き上げる意識で行う
・肘が外へ開きすぎないよう、前方へ引き下げる
・肩を過度に下げたり、強く寄せすぎない
・反動は使わず、コントロールした動作を意識する

④ トップポジション
・トップポジションで一瞬(1秒程度)静止する(任意)
・上腕二頭筋の収縮をしっかり意識する
⑤ 下ろす動作(ネガティブ動作)
・2~3秒かけて、ゆっくりコントロールしながら下ろす
・ボトムでは肘を伸ばし切る直前で止め、筋肉の緊張を保つ

上腕二頭筋を狙った懸垂のポイント解説
懸垂で上腕二頭筋にしっかり刺激を入れるためのポイントを、動作の意図とあわせて詳しく解説していきます。
① バーの握り方(グリップ)
懸垂で上腕二頭筋を狙う場合、バーの握り方が非常に重要なポイントとなります。
- 逆手(アンダーグリップ)で握る
手のひらが自分の方を向く握り方です。
アンダーグリップでは前腕が回外(手のひらを上に向ける動き)した状態になります。
上腕二頭筋は、前腕が回外したポジションで強く働くため、二頭筋を狙う懸垂に適しています。
- 手幅は肩幅~やや狭め程度(ナローグリップ)で握る
手幅を狭めることで肘が外に開きにくくなります。
上腕二頭筋の主な働きである「肘を曲げる動作(肘屈曲)」が最も発揮されやすい手幅です。
- サムアラウンドグリップでしっかり握る
サムアラウンドグリップ(親指をバーに巻きつけて握る方法)の使用がおすすめです。
握力の補助になりやすく、上腕二頭筋へ力を伝えやすくなるため動作が安定します。

② スタートポジション(ボトムポジション)
毎回このスタートポジションから動作を始めることで、可動域をしっかり使えるだけでなく、フォームの再現性も高まります。
- 膝は伸ばした状態でも可(軽く曲げると安定しやすい)
上腕二頭筋狙いの場合、膝はまっすぐ伸ばした状態で行っても大きな問題はありませんが、膝を軽く曲げると重心が体に近づき、姿勢が安定しやすくなります。
おすすめは、太ももを上げて膝を曲げ、足を揃えるスタイルです。
さらに背中を軽く丸めると動作中に体がブレにくくなり、肘を曲げる動作に集中しやすくなります。


- 肘は完全に伸ばしきらない
スタートポジションでは完全に脱力せず、腕に軽く負荷を乗せるように、わずかに肘を曲げた状態で構えましょう。

- 肩を下げた状態を作る(肩をすくめない)
肩をすくめた状態では、腕の筋肉を十分に使えないだけでなく、僧帽筋上部や首周りに余計な負担がかかりやすくなります。
肘を軽く曲げた状態を作ると同時に、肩を下げたポジションを維持することで、効果面・安全面の両方で安定したフォームになります。
動作中も常に肩をすくめないよう注意しましょう。

- 胸が正面を向くように構える
背中をターゲットとする場合は、胸を張り上体を反らせて上を向くように構えることで背中側へ引きやすくなります。
一方、上腕二頭筋を狙う場合は背中の関与を抑えるため、胸を張りすぎず胸が正面を向くように上体を立てて構えます。
上体の角度は、ほぼ垂直を目安にするとよいでしょう。

- 静止した状態から動作を開始する
懸垂は脚で踏ん張ることができないため、フォームが不安定になりやすい種目です。
スタート時に体の揺れを完全に止め、静止した状態から動作を始めることで、フォームの崩れを防ぎやすくなります。
必要に応じて体幹に軽く力を入れると、姿勢を安定させやすくなります。
③ 引き上げ動作(ポジティブ動作)
以下は、引き上げ動作時に意識したいポイントです。
- 腕の力で体を引き上げるイメージを持つ
今回は上腕二頭筋をターゲットとして懸垂を行います。
背中の力で引くのではなく、腕の力を使って体を引き上げる意識を持ちましょう。
使用する筋肉を意識することで、その筋肉の動員が高まり、トレーニング効率も向上します。
このように、狙った筋肉の収縮や伸長を意識しながら動作を行うことを「マインド・マッスル・コネクション(mind-muscle connection)」と呼びます。
- 顎をバーの上へ引き上げる意識で行う
『顎をバーより上に出す』ことを意識すると、腕の力を使いやすくなります。
顎をバーの上まで持ち上げきれない場合は、『顎をバーに近づける』意識で行ってみましょう。
※対して、胸をバーに近づけるようにすると、背中優位となりやすくなります。

- 肘が外へ開きすぎないよう、前方へ引き下げる
この意識で体を引き上げることで、腕の筋肉を使いやすくなります。

- 肩を過度に下げたり、強く寄せすぎない
今回は腕(上腕二頭筋)がターゲットです。
背中の関与を抑えるため、肩甲骨を過度に下制・内転させないようにしましょう。

- 反動は使わない
体を振ったり、上体を反らせたりして反動を使うと、腕への負荷が分散してしまいます。
懸垂はバーにぶら下がった状態で行うため、身体がブレやすく、フォームが崩れやすい種目です。
「静止 → 引き上げる → コントロールしてゆっくり下ろす」、この流れを常に意識して、丁寧に繰り返すことが重要です。

④ トップポジション
- トップポジションで一瞬(1秒程度)止める(任意)
可能であれば、トップポジションで一瞬(1秒程度)動作を止めることで、上腕二頭筋への負荷をさらに高めることができます。
無理のない範囲で、フォームを保てる場合のみ取り入れるといいでしょう。
- 筋肉の収縮を意識する
トップポジションでは、上腕二頭筋がしっかり収縮していることを感じるようにしましょう。
このとき、首や肩に余分な力が入りすぎないよう注意し、あくまで腕の収縮に意識を集中させるようにしましょう。

⑤ 下ろす動作(ネガティブ動作)
体を引き上げる動作と同様に、下ろす動作(ネガティブ動作)も筋肥大・筋力向上にとって非常に重要です。
- ゆっくり丁寧にコントロールしながら下ろす
懸垂は引き上げる局面だけでなく、下ろす局面でも筋肉に強い刺激が入ります。
姿勢を崩さないように、腕の筋力でブレーキをかけるイメージで、ゆっくりコントロールしながら下ろしましょう。
目安としては、2〜3秒かけてゆっくり下ろすのがおすすめです。
- ボトムでは肘を伸ばし切らない
ボトムポジションで肘を完全に伸ばしてしまうと、上腕二頭筋への負荷が抜けてしまいます。
ボトムでも筋肉の張力を保つため、肘を伸ばし切る直前で止め、そのまま次のレップへ移行しましょう。

呼吸の調整
懸垂では、呼吸を止めず、動作に合わせて自然に行うことが基本です。
- 引き上げる時 ⇒ 息を吐く
- 下ろす時 ⇒ 息を吸う
引き上げ動作で息を吐くことで、余計な力みを防ぎ、スムーズに体を引き上げやすくなります。
一方、呼吸を止めてしまうと、一時的に強い力が出しやすくなる反面、身体が過度に緊張したり、血圧が急上昇する原因にもなるため注意が必要です。
回数・セットの目安
あくまでも目安となりますが、上腕二頭筋を狙った懸垂は、以下の設定から始めるのがおすすめです。
- できる回数(可能であれば6〜10回程度) × 3~4セット
- セット間の休憩:1〜2分
10回以上を安定して行えるようになった場合は、負荷を高めるために加重懸垂を検討してもよいでしょう。
なお、まだ懸垂を1回もできない場合は、以下の方法から始めてみるのもいいでしょう。
- ジャンプして上まで体を引き上げ、ゆっくり下ろす(ネガティブ懸垂)
- ゴムバンドや補助マシンを利用する(アシスト懸垂)
これらを活用することで、上腕二頭筋や引く動作に必要な筋力を段階的に身につけることができます。
まとめ
懸垂は工夫次第で、上腕二頭筋にもしっかり刺激を入れられるトレーニングです。
今回紹介したポイントを押さえれば、自重トレーニングでも十分に上腕二頭筋へ負荷をかけることができます。
自重トレーニングを中心に取り組んでいる人にとって、懸垂は非常に有効な選択肢となるでしょう。
ただし、懸垂だけで上腕二頭筋を限界まで追い込むのは難しい面もあります。
より高い効果を狙うのであれば、ダンベルカールなどのウエイトトレーニングと組み合わせるのがおすすめです。
いずれにしても、無理のない範囲で継続することが、トレーニングを長く楽しむための大切なポイントです。
自分のペースを大切にしながら、できることから少しずつ取り組んでいきましょう。


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