自宅でも手軽にできる!ダンベル・ベントオーバーローイングで背中を鍛えよう
ベントオーバーローイング(Bent-over Rowing)は、広背筋を中心に背中全体を鍛えられるトレーニング種目です。
一般的にはバーベルを使って行われることが多いのですが、バーベルはジムに行かないと用意が難しいというデメリットがあります。
そこで今回は、自宅でも取り組みやすい「ダンベル・ベントオーバーローイング」に注目したいと思います。
ダンベルはバーベルより軽量から行える上に、自宅でも行いやすいため、筋トレ初心者の方にもおすすめです。
ダンベル・ベントオーバーローイングの正しいフォームのポイントや効果的に効かせるためのコツ、回数の目安、よくある間違い・注意点まで、初心者にもわかりやすく解説していきます。
ベントオーバーローイング

「ベントオーバーローイング」という名前は、
ベントオーバー(Bent-over):前かがみの姿勢
ローイング(Rowing):ボートを漕ぐような引く動作
という2つの意味から成り立っています。
上体を前傾させた姿勢でウエイトを引く動作を通じて、背中全体の筋肉を効果的に鍛えることができます。
背中の「広がり」や「厚み」をつくり、引く力の強化や姿勢改善にもつながるコンパウンド種目(多関節種目)です。
ベントオーバーローイングで鍛えられる主な筋肉
ベントオーバーローイングは、「広背筋」や「僧帽筋」などを中心に背中全体の筋肉を鍛えることができ、特に逆三角形のシルエットを目指したい方や、背中に厚みを出したい方におすすめの種目です。
また、動作の中で「三角筋後部(肩の後ろ)」にも刺激が入るため、後ろ姿全体の引き締めにも効果が期待できます。
鍛えられる筋肉は、いずれも日常生活やスポーツの「引く」動作に深く関わる重要な筋肉であり、見た目だけでなく、機能的にも背中をバランスよく強化できる点が特徴です。
特に関与が大きい主な筋肉は以下の通りです。
ベントオーバーローイングで特に関与が大きい筋肉

主働筋
- 広背筋
背中の側面〜中・下部に広がる背中の広い範囲を占める主要な筋肉で、逆三角形のシルエットを作るうえで非常に重要です。
発達することで背中の「広がり」が強調されます。
腕を引く、肩を内側に回す(内旋)などの動きを担います。 - 僧帽筋
首の付け根から背中の上部~中部にかけて広がる筋肉で、肩甲骨の引き寄せ・安定、姿勢の維持に関わります。
上半身の「厚み」を出すのに貢献します。
ローイング動作で肩甲骨を寄せる際に強く働きます。
補助筋
- 脊柱起立筋
背骨に沿って走る縦長の筋肉群です。
上体を支える・姿勢を保つ役割を担います。
ベントオーバーロウ中の前傾姿勢を正しくキープするのに使われ、体幹の安定にもつながります。 - 大円筋
肩甲骨の外側、広背筋の上側に位置する筋肉で、腕を後方に引く動作の補助として使われます。
広背筋とともに働くため、一緒に鍛えることで背中の立体感・ボリュームが増します。 - 菱形筋(りょうけいきん)
肩甲骨と背骨の間にある深層筋で、肩甲骨を内側に寄せる動きに関与します。
背中の引き締めに大切な筋肉です。
ローイング時に「肩甲骨を寄せる意識」を持つことでしっかり刺激できます。 - 三角筋後部
肩の後ろ側に位置する筋肉で、腕を後方に引く動作、肩関節の伸展・外旋に関与します。
背中だけでなく、肩まわりの後ろ姿も引き締めてくれる重要な筋肉です。
ローイング動作中に自然と使われます。
ダンベル・ベントオーバーローイングのメリット・デメリット
ダンベル・ベントオーバーローイングのメリット
- 背中の広がり・厚みを同時に作れる
ベントオーバーローイングは、広背筋・僧帽筋・大円筋・菱形筋など、背中全体を幅広く鍛えることができるため、1種目で背中の広がりと厚みを効率よく作れるのが大きな魅力です。 - 引く力(プル動作)の基礎を鍛えられる
ローイング系の基本動作として、「引く力」を高めるのに適しています。
懸垂・デッドリフト・ラットプルダウンなど、他の背中種目にもつながる基礎力が身につきます。 - 体幹の安定性が向上する
前傾姿勢を保つことで、脊柱起立筋や腹筋などの体幹も鍛えられます。
単に背中を鍛えるだけでなく、姿勢改善や腰まわりの安定性向上にも効果的です。 - トレーニングにかける時間が比較的短い
ワンハンドロウはフォームの安定性や動作集中のしやすさといったメリットがあるものの、片手ずつ行うため時間がかかるのというデメリットがあります。
その点、両手同時に行うベントオーバーロウなら短時間で効率よく鍛えられます。
トレーニング時間を確保しにくい方にも取り入れやすい種目です。 - ジム以外でも行いやすい
ダンベルさえあればできるので自宅でも準備しやすく、ジムに行かなくても背中を鍛えられます。
バーベルやマシンがない自宅トレーニングにもぴったりです。 - 左右差の改善にも効果的
ダンベルは片手ずつ独立して動かせるため、筋力の左右差を修正しやすいのも特長です。
バーベルに比べて、両側を均等に使える点は大きなメリットです。 - 可動域が広くとれる
ダンベルトレーニングは左右の手がそれぞれ独立して動かせるため、自由度が高く広い可動域で行えるため、筋肉をしっかり伸縮させることができます。 - 動作の自由度が高い(フォームの調整が行いやすい)
ダンベルは手幅や角度、肘の引き方を自由に調整できるため、目的に応じて広背筋や僧帽筋など、狙う部位を変えやすいのが特徴です。 - 肩や手首の負担を抑えやすい
ダンベルは左右独立している分、関節の自然な動きに沿いやすく、肩や手首への負担も軽減され、ケガのリスクを抑えやすいという利点もあります。 - 軽い重量から安全に始められる
バーベルだとジムにあるものは20kgのものが主流です。
必然的にバーベルベントオーバーロウでは最低重量が20kg(両手)のことが多くなります。
ダンベルであれば1〜2kg(片手)から準備ができます。
バーベルよりも軽い重量から始められ、初心者・女性・高齢者・リハビリ中の方にも取り入れやすく、正しいフォームの習得にも適しています。
ダンベル・ベントオーバーローイングのデメリット
- 腰に負担がかかりやすい
前傾姿勢で動作を行うため、脊柱起立筋や腰まわりに負荷が集中しやすい特徴があります。
フォームが崩れたり、反動を使いすぎると、背中に効果的に刺激が入らないばかりか、腰痛やケガの原因になることもあります。 - 正しいフォームの習得が難しい
背中で引く感覚や肩甲骨を寄せる動作を身につける必要があり、初心者には難しく感じやすい種目です。
つい腕(上腕二頭筋)に頼ってしまい、背中に効かせづらくなることも少なくありません。
また、前傾姿勢を維持するためには、体幹の筋力・体力・柔軟性も必要です。
体幹が弱いと十分な前傾姿勢が取れなかったり、動作中に姿勢がブレやすくなったりと姿勢が崩れやすくなり、トレーニング効果が低下してしまいます。
特に、ダンベル・ベントオーバーローイングは、バーベルに比べて動作が不安定となりやすい傾向があり、初心者にとっては、正しいフォームを習得することが難しい種目の1つになります。
まずは軽い重量から始め、「正しいフォーム」を身につけること、「背中で引く」「肩甲骨を寄せる」感覚を身につけることが重要です。 - 高重量を扱いにくい
ダンベルトレーニングは両手が独立して動くため、それぞれの手でバランスを取りながら動作を行う必要があります。
また、可動域も大きくなるため、バーベル種目より高重量を扱うのが難しくなります。
ダンベル・ベントオーバーローイングはこんな人におすすめ!
ダンベル・ベントオーバーローイングのメリット・デメリットを踏まえ、このような方々におすすめとなります。
- 背中の筋肉をしっかり鍛えたい人
広背筋を中心に、背中全体を効率よく鍛えることができます。
引く動作で広い範囲を刺激できるため、背中の厚みと広がりの両方に効果的です。
日常生活はもちろん、スポーツパフォーマンス向上にも役立ちます。 - 短時間で効率よくトレーニングを行いたい人
ベントオーバーロウは背中全体を鍛えることができるコンパウンド種目(多関節種目)です。
また、両手同時に行うため、片手ずつ行うワンハンドロウに比べて短時間でトレーニングを終えることができます。
一方、ワンハンドロウは片手ずつ行うことで、可動域を広く確保でき背中に効かせやすいなどの利点があります。
目的やトレーニング時間に応じて使い分けるのが効果的です。 - 自宅でトレーニングを行いたい人
ダンベルさえあれば始められるため、自宅に大がかりな設備を整える必要がありません。
ジムに通わなくても、自宅で本格的な背中トレーニングに取り組めます。 - 姿勢改善目的
猫背や巻き肩の原因となりやすい肩甲骨まわりの筋肉も強化できるので、姿勢の改善や肩こり対策にも効果的です。
姿勢が整うことで腰痛の予防・改善にもつながります。 - 他の背中種目がやりづらい人(筋力が弱い方・女性にもお勧め)
バーベルロウや懸垂などが難しい場合の代替としても利用できます。
腰に不安がある人は、片手をベンチにつく「ワンハンドローイング」、またはインクラインベンチを利用した「インクラインダンベルロウ」もおすすめです。 - 可動域を重視したトレーニングを行いたい人
高重量で大きな負荷をかけるよりも、動作の可動域を最大限に活かしたトレーニングをしたい場合は、バーベルよりダンベルの方が適しています。
ダンベルは左右が独立して動くため、より大きな可動域で動作を行いやすいのが特徴です。 - 筋力の左右差を整えたい人
左右それぞれの手で1つずつダンベルを扱うため、両側に均等な負荷をかけられます。
そのため、筋力の左右差が生じるのを予防でき、すでに左右差を感じている場合にも改善に役立ちます。 - 筋トレ初心者〜中級者以上まで幅広く対応
軽量から始められ、マシンより自由度が高く、体幹やバランス感覚も同時に鍛えられるため、初心者がフォームを学ぶのにも、中級者以上がさらに負荷を高めるのにも適しています。
🔴 ダンベル・ベントオーバーローイングの方法(やり方)
初心者の場合は「軽めの重量でフォーム練習」からスタートするようにしましょう。
また、慣れてきてからも正しいフォームを維持できる範囲の重量を選び、無理に重さを追わないようにしましょう。
セットアップ
- ダンベルを両手で持ち、足幅は肩幅程度に開いて立ちます。
つま先は前方~やや外向きに開くと、安定しやすくなります。 - 骨盤を軽く前傾させ、軽く胸を張り、肩をすくまないように下げた状態を作ります。
この時、背中に負荷(重量)が乗っている感覚を意識しましょう。

- 膝を軽く曲げ、お尻を後ろに引きながら、股関節を折り曲げるイメージで上体を前傾させます(ヒップヒンジ※1)。
前傾角度には身体の柔軟性により個人差があります。
ハムストリングに程よいストレッチを感じる位置まで上体を倒しましょう。
目安としては、上体が床に対して30〜45度程度です。
背中は常にまっすぐに保ち、丸まったり反りすぎたりしないよう注意します。
重心は足裏全体で支え、つま先側に体重が偏らないようにしましょう。 - 首は背骨と一直線になるように自然な位置を保ちます。
視線は斜め前の床(1〜2メートル先)を見るようにし、首を反らさないようにしましょう。

動作
- 引き上げ動作(ポジティブ動作)
息を吐きながら、脇を軽く締めて肘を斜め後方へ引き、ダンベルを腰の横あたりまで引き上げます。
動作中は広背筋の収縮に意識を集中させることで、背中に効かせやすくなります。
引ききった位置では肩甲骨を寄せる意識を持ち、僧帽筋や菱形筋など背中上部にも刺激を入れましょう。
※反動は使わず、常に背中の筋肉でバーベルをコントロールします。

- 下ろす動作(ネガティブ動作)
息を吸いながら、ダンベルをゆっくりと元の位置まで下ろします。
戻す動作でも力を抜かず、背中の筋肉がストレッチされている感覚を意識しながら丁寧に行いましょう。

ヒップヒンジ(Hip Hinge)とは?
名前の意味は、「ヒップ=お尻」「ヒンジ=蝶番(ちょうつがい)」という意味であり、股関節(ヒップ)を「軸」にして、上体を前後に折りたたむように動かす動作のことを指します。
これは、デッドリフトやベントオーバーロウ、グッドモーニングなど、多くのトレーニング種目で使われる基本動作であり、正しく身につけることで「腰への負担を抑え、お尻やハムストリングス(裏もも)をしっかり使う」ことができるようになります。
ヒップヒンジの目的
- 腰を痛めにくくし、背中を安全に鍛えられるようにする
- お尻や裏もも(ハムストリングス)に効かせやすくする
特に、デッドリフトやベントオーバーロウを行う場合は必須となる動作パターンです。
ヒップヒンジのポイント

- 背中はまっすぐに保ったまま、お尻を後ろに引いて上体を前に倒す
- 膝は軽く曲げ、股関節を中心に動かす
- 背中を丸めない・反らせすぎない
- お尻とハムストリングがしっかりストレッチされた感覚を意識する
初心者におすすめのセット数・回数
まずは、フォーム習得のため、軽めの重量で少し多めの回数から始めてみましょう。
筋トレ初心者の方は、以下を目安に取り組んでみてください。
- 回数:10〜12回
- セット数:2〜3セット
- インターバル:60〜90秒
慣れてきたらフォームを維持できる範囲で、徐々に重量を上げていきましょう。
ダンベル・ベントオーバーローイングのよくある間違い
ダンベルベントオーバーローイングは、広背筋や僧帽筋といった背中の筋肉を鍛える優れた種目です。
しかし、フォームを誤ると効果が薄れるだけでなく、腰や背中を痛めるリスクが高くなります。
以下に、特に初心者にありがちな間違いをあげていきます。
- ❌ 背中(腰)が丸まっている
背中や腰が丸まった状態で動作を行うと、背中の筋肉に十分な刺激が入らず、トレーニング効果が低下します。
また、腰や背中に過度な負荷がかかり、腰痛やケガの原因にもなります。

- ❌ 腰が過度に反っている
「背中をまっすぐにしよう」と意識しすぎて、腰を過度に反らせてしまうのもNGです。
この状態では腰に不自然な負荷がかかり、腰痛の原因となります。

- ❌ 首を反らしている(前を見すぎている)
鏡を見るために顔を上げた状態で行うなどで、首が反り返った状態になると、首から腰にかけて余計な負担がかかります。
フォームのチェックは重要ですが、基本は首は背骨と一直線を保ち、視線は斜め前の床に向けましょう。

- ❌ 肩がすくんでいる(肩が上がっている)
ダンベルを引く際に力み過ぎて肩がすくんでしまうと、僧帽筋上部や腕の力ばかり使ってしまい、広背筋への刺激が弱くなります。


- ❌ 前傾が浅い(体を起こしすぎ)
体を十分に前傾できていないと、背中に適切な負荷がかかりにくくなります。
この状態では腕や肩に負荷が逃げやすく、背中のトレーニング効果が低下します。

- ❌ 体幹が安定していない
ダンベルを引く際に、上半身が左右や上下にブレる動作はNGです。
フォームの乱れだけでなく、怪我や効かせたい筋肉への刺激不足にもつながります。
ブレの原因としては、「反動を使っている」「筋力バランスの差」「重量が重すぎる」「体幹(腹筋・背筋)の筋力不足」「腹圧(お腹に力を入れる意識)が抜けている」などがあります。
動作中はお腹に軽く力を入れ、上体を固定したまま引く意識を持ちましょう。 - ❌ 腕だけで引いてしまう
広背筋や肩甲骨の使い方が未熟だと、腕(特に上腕二頭筋)の力でばかり引いてしまい、背中に効かせることが難しくなります。
「肘を後ろに引く」「脇を締める」意識を持つことで、背中主導の動作になりやすくなります。 - ❌ 肘が外に広がっている
脇を開いたフォームになると、背中全体にうまく効かなくなる要因となります。
特に広背筋を狙いたい場合、肘が外に広がることで負荷が肩・腕・背中の上部に逃げやすくなります。

- ❌ グリップに力が入りすぎている
ダンベルを強く握りすぎると、前腕に力が入りすぎてしまい、背中の筋肉を意識しづらくなります。
その結果、狙った広背筋や僧帽筋への刺激が弱くなってしまいます。 - ❌ 反動を使って持ち上げている
反動(勢い)を使ってダンベルを持ち上げてしまうと、筋肉への負荷が逃げてしまい、狙った部位に効かせることが難しくなります。
また、フォームが崩れやすくなり、特に腰への負担が増えてケガのリスクも高まります。 - ❌ 動作が速すぎる(特に戻す動作)
引く動作を勢いよく行い、戻すときに重さを“落としている”だけになっている人もいます。
この場合、筋肉に負荷がかかる「ネガティブ動作(戻す動き)」が疎かになり、筋肥大効果が落ちてしまいます。 - ❌ 可動域が狭い
引ききれていない、または下ろしきれていない状態で動作を行うと、筋肉の収縮・伸長が不十分になり、トレーニング効果が大きく低下します。
可動域が狭いと、効かせたい部位への刺激が弱くなり、「なんとなくやっているだけ」になりがちです。
無理のない重量で、引ききる・下ろしきる動作を丁寧に行いましょう。 - ❌ 重量が合っていない
重量設定が適切でないと、トレーニング効果が大きく損なわれます。
重すぎるとフォームが崩れて対象筋に効かせられず、軽すぎると筋肉への十分な刺激が得られません。
とはいえ、初心者がフォームを身につける段階では、軽めの重量&フォーム重視で行うようにしましょう。 - ❌ 呼吸を止めたまま動作を続けている
腹圧を保つためであっても、呼吸を止めたまま動作を続けるのは避けましょう。
長く呼吸を止めると、力みによるフォームの乱れ、血圧の急上昇、パフォーマンスの低下などを招く可能性があります。
効果を最大限に引き出すコツ
- まずは軽めの重量でフォームの習得に重きを置く
ベントオーバーロウは、正しいフォームの習得が難しい種目の一つです。
フォームが崩れたり、反動を使いすぎたりすると、背中に効かないばかりか、腰痛の原因にもなりかねません。
こうしたフォームの乱れは、主に「重すぎる重量」「正しい動作の理解不足」「筋力バランスの偏り」などが原因で起こります。
そのため、最初は軽めの重量でスタートし、フォームの習得を最優先にしましょう。
広背筋や僧帽筋など、背中の筋肉の収縮とストレッチを意識し、背中に効いている感覚を掴むことが重要です。
初心者はまず、軽めの重量で「効かせる動き」を体に覚えさせることから始めましょう。
フォームに慣れてきたら、徐々に重量を上げていきます。
目安としては、正しいフォームを維持しながら8〜12回行え、ラスト2〜3回がキツいと感じる重さが適切です。
高すぎる重量はフォームの崩れやケガのリスクを高めるため避けましょう。
重量は「見栄」で選ぶものではなく、「刺激」と「安全性」のバランスで選ぶことが、効率よく継続するコツです。
- 背中をまっすぐ保つ(背中を丸めない・反りすぎにも注意)
背中は常にまっすぐをキープし、丸めないようにしましょう。
背中が丸まると腰に過度な負担がかかり、腰痛やケガの原因になります。
反対に、「まっすぐにしよう」と意識しすぎて腰を反りすぎるのもNGです。

- 前傾姿勢をしっかり保つ・姿勢を安定させる
膝を軽く曲げ、背中は丸めずまっすぐをキープしたまま、股関節から上体を倒すように前傾姿勢を作りましょう。
ハムストリングに軽くストレッチ感が出る位置まで倒すのが目安です。
柔軟性や筋力には個人差があるため、とれる前傾角度も人それぞれですが、まずは上体が床に対して30〜45度を目安に倒してみましょう。
基本的には、前回姿勢が深くなるほど背中へかかる負荷は大きくなります。
ただし、姿勢が崩れてしまっては本末転倒なので、柔軟性や筋力に応じて無理のない範囲で前傾姿勢をとるようにしましょう。
重心は足裏全体で支えます。
つま先に体重がかかりすぎないよう注意しましょう。
首は背骨と一直線になるよう自然に保ち、視線は斜め前の床(1〜2メートル先)を見ると、姿勢が安定しやすくなります。
また、動作中は、腹筋・背筋をしっかり使って体幹を安定させる意識が大切です。
特に初心者のうちは、前傾姿勢を維持する体幹の持久力も大切な課題になります。
他にも、前傾姿勢をしっかりとるには、体の柔軟性も重要な要素です。
股関節やハムストリングのストレッチなども取り入れて、柔軟性の向上にも取り組みましょう。

- 腰痛や腰に不安がある場合は、無理に行わない
ベントオーバーロウは前傾姿勢でウエイトを扱うため、腰への負担が比較的大きい種目です。
そのため、腰に不安や痛みがある場合は無理をせず、代替種目に切り替えるのが賢明です。
おすすめの代替種目
◇ ワンハンドダンベルロウ
(片手・片膝をベンチにつけ、体幹を安定させて行う)
◇ インクラインダンベルロウ
(インクラインベンチに上体を固定することで、腰への負担を軽減)
これらの種目は腰への負担を抑えつつ、背中の筋肉をしっかり刺激できるため、特に初心者や腰に不安がある方におすすめです。 - 背中で引く意識を持つ
ベントオーバーロウでは、腕の力で引くのではなく、背中の筋肉(特に広背筋)を使って引く意識が大切です。- セットポジションを整える
動作を始める前に、胸を軽く張り、肩を下げて(すくませずに)構えましょう。
このポジションを作ることで肩甲骨が下がり、広背筋や僧帽筋に刺激が入りやすくなります。 - 「腕」ではなく「肘で引く」
手や腕で引こうとせず、「肘を後ろへ引く」感覚で行いましょう。
ダンベルは「肘の動きについてくる」くらいの意識で問題ありません。 - 肘を腰に近づけるように引く
肘を腰に近づけるイメージで、体のラインに沿って斜め後ろへ引くと、広背筋への刺激が入りやすくなります。 - 動作の最後に肩甲骨を寄せる
ダンベルを引ききった位置で、肩甲骨をぎゅっと寄せる意識を持ちましょう。
僧帽筋や菱形筋など背中の上部にも刺激が入り、背中に厚みと立体感が出やすくなります。 - 手の向きは自然な向きでOK(ニュートラルグリップがおすすめ)
手のひらを内側(体に向けた向き)にして持つ、「ニュートラルグリップ」で行うと、関節に無理な負荷がかかりにくく、広背筋の動員をより感じやすくなります。
これはバーベルではできない、ダンベル特有のメリットなので、ぜひ活用しましょう。
- セットポジションを整える
- グリップは強く握りすぎない
ダンベルのグリップは必要以上に強く握りすぎないようにしましょう。
小指・薬指・中指の付け根あたりにグリップを「軽く引っ掛ける」ように保持し、必要最低限の力で握るようにしましょう。
前腕に力が入りすぎると、背中の筋肉への意識が薄れやすくなり、狙った部位に効かせにくくなります。
また、前腕が先に疲れてしまい、背中を十分に追い込む前にセットが終わってしまう原因になります。
背中を鍛える種目である以上、主役はあくまで背中の筋肉です。
握力に自信がない場合や、高重量を扱うときは、パワーグリップやリストストラップなどの補助ギアを活用するのもおすすめです。
※ただし、道具に頼りすぎず、握力そのものも少しずつ鍛えていくとトータルのバランスが良くなります。 - 反動を使わない
反動を使いすぎると、背中の筋肉に十分な刺激が入らないだけでなく、フォームが崩れやすくなり、腰痛などのケガの原因にもなります。
反動なしでは上げられなくなってから、ラスト数回のみあえて反動(チーティング)を使って引き上げ、ネガティブフェーズ(下ろす動作)をコントロールしながら行うことで、筋肉に強い刺激を残すテクニックもあります。
ただし、これはフォームがしっかり身についてから行うべき 中〜上級者向けの方法です。
まずは、反動を使わずに「筋肉で丁寧に引く」フォームを習得することが優先です。
少なくとも、セット序盤から反動を使わないと上げられない重量設定は適切とは言えません。
反動が出てしまう場合は、無理に続けず、重量を軽くしてフォームを優先しましょう。 - ダンベルはゆっくり下ろす(ネガティブ動作を丁寧に)
ダンベルを下ろすとき(エキセントリック)は、ゆっくりと丁寧に行いましょう。
重力任せに「落とす」ように下ろしてしまうと、背中への刺激が逃げてしまい、非常にもったいないです。
ネガティブ動作(筋肉が伸びながら力を発揮するフェーズ)は、筋肥大において非常に重要な役割を担っています。
常にバーベルを自分でコントロールする意識を持ち、背中の筋肉(特に広背筋や僧帽筋)がしっかりストレッチされている感覚を感じながら下ろしましょう。
目安としては、下ろす動作に2〜3秒ほどかけると、筋肉への刺激を逃がしにくくなります。 - 可動域は大きく使う
動作の中でしっかりと可動域を使い、筋肉の「伸長」と「収縮」を最大限感じられるように意識しましょう。
下ろすときは、背中の筋肉がしっかりストレッチされるように、力を抜かず丁寧に下ろします。
引き上げるときは、広背筋の収縮を強く得られるようにしっかり引ききり、肩甲骨まで意識的に寄せましょう。
ただし、可動域を大きくしようとするあまり、フォームが崩れてしまっては本末転倒です。
あくまでも正しいフォームを維持できる範囲で、最大限の可動域を使うことが重要なポイントです。 - 呼吸の調整
基本は、引くときに「吐いて」、下ろすときに「吸う」ように呼吸を行い、呼吸は止めないようにします。
ひと動作ごとにリズムよく呼吸を行うことで、フォームの安定や疲労軽減にもつながります。
とはいえ、重量が重くなってくると、腹圧を維持するために一時的に息を止めて動作を行う場面もあると思います。
その場合は、引く直前に息を大きく吸って、息を止めた状態で腹圧をかけて引き上げ、下ろし終わり付近からゆっくり吐くといった流れを意識しましょう。
息を止めたまま連続して動作を行うのは避けましょう。
必ず動作ごとに呼吸を整えるようにしてください

息を大きく吸い込み、止めた状態でお腹に力を入れて(腹圧をかけて)体幹を安定させる方法をバルサルバ法(バルサルバ・テクニック)といいます。
この方法は、スクワットやデッドリフトなどの高重量を扱う種目で使われることが多く、 体幹を強く固めて力を発揮しやすくするほか、腰や背中のケガを防ぐ目的でも用いられます。
ただし、バルサルバ法は一時的に血圧が急上昇しやすいため、高血圧や心疾患のある人には危険です。
めまいやふらつきを感じた場合は、すぐに中止しましょう。
初心者のうちは呼吸を止めず、正しいフォームと自然な呼吸の習得を優先しましょう。
バルサルバ法は、基本的なフォームと呼吸法を身につけてから取り入れる方が安全です。
筋肉の鍛え分け(広背筋 or 僧帽筋)
ベントオーバーロウは、広背筋・僧帽筋・菱形筋など、背中の上部から下部までを幅広く鍛えられる非常に優秀な種目です。
基本的には1種目で背中全体を刺激することができますが、フォームや意識を少し変えることで、広背筋寄り・僧帽筋寄りといったように一部の筋肉を重点的に狙って鍛えることも可能です。
特にダンベル・ベントオーバーローイングは手幅や角度、肘の引き方を自由に調整できるため、筋肉の鍛え分けを行いやすいというメリットがあります。
広背筋を重点的に狙う場合のポイント

1. 肘を“後ろに”引く(外側に広げない)
広背筋は「上腕骨を後ろに引く」動きで強く働きます。
肘を外に広げると僧帽筋・菱形筋にといった背中上部の筋肉が使われやすくなります。
2. ダンベルを“腰に向かって”引く(やや低めの軌道)
みぞおち方向(高めの位置)に引くと僧帽筋が優位となりやすくなります。
ダンベルを腰骨に近づけるイメージ(低めの軌道)で引くと広背筋の収縮が強くなります。
3. 肩をすくめない・肩甲骨を寄せすぎない
肩をすくめる・肩甲骨を寄せる動きは、僧帽筋の関与が大きくなります。
広背筋狙いなら「肩は下げたまま、肘だけ後ろへ」を意識すると、僧帽筋の関与を抑え広背筋に集中しやすくなります。
僧帽筋(中部〜下部)を重点的に狙う場合のポイント

1. 肘を“やや外側に広げて”引く
肘を横に張ると肩甲骨の内転が強くなり、僧帽筋・菱形筋が主役となります。
2. ダンベルを“みぞおち付近の高さ”で引く(やや高めの軌道)
高い軌道=肩甲骨の内転が強調されます。
広背筋より僧帽筋に負荷が乗りやすくなります。
3. 肩甲骨をしっかり寄せる意識
僧帽筋中部のメイン動作は「肩甲骨の内転」です。
収縮を感じながら寄せると効きやすくなります。
まとめ
ダンベルベントオーバーローイングは、広背筋や僧帽筋を中心に、背中全体を効率よく鍛えられる優秀なトレーニングです。
ダンベルを使えばバーベルよりも可動域が広く、狙いたい筋肉にしっかり効かせやすいのが魅力です。
また、軽い重量から始められるため、初心者にも取り組みやすいというメリットがあります。
正しいフォームを意識すれば、ケガのリスクも抑えつつ、しっかり筋肉に刺激を与えることができます。
まずは軽めの重量でフォームを習得し、慣れてきたら徐々に重量を上げていきましょう。
フォームに自信がついたら、バーベルに挑戦してみるのもおすすめです。


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