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脚のトレーニング(自重スクワットの応用:後編)

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スクワットのバリエーションで、効果的&飽きないトレーニングを!【後編】

今回は、「自重スクワットの応用【後編】」ということで、前回に引き続きスクワットのバリエーションの解説を行っていきたいと思います。

前回の解説についてはこちらをご覧ください。

 ⇒ 脚のトレーニング(自重スクワットの応用:前編)

   1.ワイドスクワット
   2.サイドスクワット(ラテラルスクワット)
   3.シシースクワット
   4.ジャンピングスクワット

また、スクワットのバリュエーションには、まず基本となる自重でのノーマルスクワットを正しいフォームで行えるようになってから挑戦することをお勧めします。

まだご覧になっていない方は、まずこちらのスクワットの基本についてまとめページをご覧ください。

 ⇒ ノーマルスクワット(スクワットの基本的なフォームと注意点!)

通常のスクワットは足を左右に開いて両脚に均等に負荷をかけるトレーニングですが、スプリットスクワットは足を前後に開き、前脚(片足)に重心を乗せて行う種目です。

片脚に負荷を集中させることで、大腿四頭筋や大臀筋、ハムストリングスを効果的に鍛えることができます
特に前脚の太ももやお尻にしっかりと刺激が入るため、下半身の筋力アップや左右差の改善にも効果的です
また、足を縦に開いてバランスを取りながら行うことで、インナーマッスルや体幹の筋肉も同時に鍛えられるというメリットもあります。
フォームを安定させるためには、腹筋や背筋など体幹部の意識も重要になります。
スプリットスクワットは、ブルガリアンスクワット、フロントランジ、バックランジなどの片脚系スクワットの基本となる動作でもあります。
まずはこの基本種目でしっかりとフォームを習得し、軸のブレない動きができるようになりましょう。

スプリットスクワットの方法

  1. セットアップ(構え)
    • 背筋をまっすぐに伸ばし、足を前後に大きく開きます。
      背筋をまっすぐをキープしたまま、重心は前足にしっかり乗せるように意識しましょう。
      後ろ足はつま先で軽く支える程度にし、突っ張らないように注意します。
      💡 ポイント:姿勢を崩さないために、視線はまっすぐ前を見ましょう。
  2. しゃがみ込み
    • 息を吸いながら膝を曲げて、ゆっくりと腰を落としていきます。
      この時、前足の膝がつま先より前に出過ぎないように注意しましょう。
    • 後ろ足は、足先でバランスを取るように使います。
      後ろ足を突っ張ると体が前に押され前足の膝に負荷がかかりすぎてしまいます。
      腰を落とすときは同時に柔軟に曲げるようにしましょう。
    • 後ろ足の膝を曲げながら、後ろの膝が床すれすれになるまで腰を落とすのが理想ですが、筋力・柔軟性に応じて可動域を調整してOKです。
    • 前足の筋肉にしっかり負荷がかかっていることを意識しましょう。
  3. 戻る
    • 限界まで腰を落としたら、息を吐きながら前足の力を使って身体を持ち上げていきましょう。
      猫背や反り腰にならないように、上半身は最後までまっすぐ保ちましょう。
  4. 繰り返し
    • 左右交互に、10回×3セットを目安に行いましょう。
      例:右足が前のスプリットスクワットを10回終えたら、左足を前にして同じ動作を行います。
    • 左右の筋力差が出やすい種目なので、両脚をバランスよく鍛えるようにしましょう。

スプリットスクワットの注意点

  1. 背筋はまっすぐキープする
    • 上半身を真っ直ぐ保つことで、狙った筋肉に適切な負荷をかけることができます。
      猫背や反り腰にならないように注意しましょう。
      特に腰を反らせすぎると腰痛の原因になるので、腹筋に軽く力を入れて姿勢を安定させるのがポイントです。
  2. しゃがむときには上半身を少し前に傾ける
    • 基本のスプリットスクワットでは、膝関節と股関節の両方を使ってしゃがむようにします。
      しゃがむときには、上半身をやや前に倒すことで、太ももの前後の筋肉(大腿四頭筋・大臀筋・ハムストリングスなど)にバランスよく負荷をかけることができます。
  3. 身体のバランスをしっかり取る
    • 前後に足を大きく開くため、バランスを崩しやすくなります。
      重心がブレないように、体幹を意識して安定させましょう。
      この動きは体幹やインナーマッスルのトレーニングにもなります。
  4. 膝がつま先より前に出過ぎないようにする(多少であれば前に出ていてもOK)
    • 太ももの前と後ろをバランスよく鍛えるためには膝関節だけでなく股関節も使い腰を落とすことが重要です。
      しゃがむときに膝がつま先より大きく前に出すぎると、膝関節に過剰な負荷がかかってしまい、ケガの原因になることがあります。
      そのため、基本的には膝がつま先より大きく前に出ないように意識しましょう。
      ただし、多少つま先より膝が前に出る程度であれば問題ありません。
      個人の体格(脚の長さや股関節の柔軟性)によってもフォームは多少変わります。
      フォームの目安としては、重心が前足のかかと~足裏中央に乗っていて、膝に違和感がなければOKです。
      あえて膝関節に負荷をかけて大腿四頭筋を狙う方法や、お尻・ハムストリングスに効かせる方法もありますが、まずは基本のフォームをしっかり身につけるようにしましょう。
  5. 重心は前足にかける
    • スプリットスクワットでは、前足に重心をよせてトレーニングを行います。
      前足と後足の体重の比率は決まっているわけではありませんが、イメージとしては「前足に70%、後足に30%」を目安に行うと、筋肉に効かせやすく、バランスも取りやすくなります。
  6. 呼吸を意識する
    • 呼吸を止めずに行うことも重要です。しゃがむときに息を吸い、立ち上がるときに息を吐くようにしましょう。自然な呼吸を意識することで、動作の安定にもつながります。

スプリットスクワットのフォーム調整(ターゲットとする筋肉の選択)

基本のスプリットスクワットでは、太ももの前後の筋肉(大腿四頭筋・大臀筋・ハムストリングス)にバランスよく負荷をかけるように、しゃがむときに上半身を軽く前に傾けるようにします。
フォームを調整することにより、太ももの前後のどちらかに負荷を寄せることもできます。

太ももの前側(大腿四頭筋)をターゲットとする場合

体幹を直立に近い状態に立てると、膝関節の屈曲が強まり、膝関節へ重心を乗せやすくなります。

前足に体重をかけた状態で、縦に腰を落としていくようにスプリットスクワットを行うと、大腿四頭筋により強い刺激が加わります

太ももの後ろ側(臀筋・ハムストリングス)をターゲットとする場合

一方、体幹を強めに前傾させると、股関節の屈曲が強まり、股関節への負荷を高くすることができます。

体幹を前傾させ前足に体重をかけた状態で、腰を後ろ下へ斜めに引き下ろすように落としていくと、ハムストリングス大臀筋に効果的にストレッチが加わり、より強い刺激を与えることができます。

目的に応じてフォームを使い分けましょう。

スプリットスクワットの負荷の調整

負荷が足りなければ、ダンベルなどのウエイトを利用することで負荷を高めることもできます。

基本動作はスプリットスクワットとなりますが、後ろ足を台の上に乗せて行います。

結果、前足により重心がかかり大腿四頭筋や大殿筋に効果的に刺激が入ります
また、後ろ足を高い位置に置くため、より強いストレッチがかかります。
ストレッチがかかった状態での負荷は、筋肉の成長に非常に有効な刺激となります。
他にも、バランス感覚をとりながらのトレーニングとなるため、腸腰筋や体幹の筋肉強化も期待できます。
ブルガリアンスクワットはスプリットスクワットが基本動作となり、動作の難易度や負荷はさらに高くなります。
初めて行う場合は、スプリットスクワットに慣れてから行うといいでしょう。

ブルガリアンスクワットの方法

  1. セットアップ
    • 片足をのせるベンチや台を準備します。台の高さは膝の高さかそれより少し低いくらいが目安となります。
    • セットアップとしては、①ベンチに浅く腰かけ、②前にくる足をまっすぐ伸ばして地面につくところを前足の定位置とし立ち上がり、③後ろ足の甲を乗ベンチに乗せると毎回の足幅のポジションが決めやすくなります。
  1. しゃがみ込み
    • 背筋を伸ばして前足に体重が乗るように重心をかけて、息を吸いながら膝を曲げて、前側の太ももと床が平行になるまで膝を曲げて腰を落としていきます。この時、前足の膝がつま先より前に出過ぎないようにします。
    • 後ろ足はできるだけ体重をかけずにバランスを取るように使います。後ろ足の膝を突っ張ると体が前に押され前足の膝に負荷がかかりすぎてしまいます。柔軟に膝を曲げてバランスを取りましょう。
    • 前足の筋肉にしっかり負荷がかかっていることを意識して行いましょう。
  2. 戻る
    • 息を吐きながら、前足の力を使ってゆっくりと曲げた膝をのばして元の姿勢に戻ります。
  3. 繰り返し
    • 左右それぞれ10回1セット×3セットを目安として行い、右足が前のブラジリアンスクワットを1セットした後は、左足が前のスプリットスクワットを1セットというように反対側の足も交互にバランスよく行うようにしましょう。

ブルガリアンスクワットのターゲットとする部位別のフォーム

太ももの前側(大腿四頭筋)をターゲットとする場合

膝関節をより強く関与させるために、上体を起こして腰をを縦に下ろし、大腿四頭筋の力を使って上に立ち上がる感覚で行います。
前側の太ももと床が平行になるまで膝を曲げて腰を落としていきます。

太ももの後ろ側(臀筋・ハムストリングス)をターゲットとする場合

股関節を重点的に使います。
お尻を後ろに引きながら斜め後ろに下ろし股関節を屈曲させ上体を前傾させます。

前側の脚は膝の角度が90度なるのを目安に膝を曲げます。
立つときは斜め前に立ち上がるように股関節を伸ばすように使って上体を起こします。
股関節から曲げて、股関節から伸ばしましょう。

ブルガリアンスクワットの負荷を増やす方法

両手にダンベルやケトルベルなどの重りを持つことで効果を高められます。
器具がなければ重り代わりのリュックを背負うことで負荷を増やすこともできます。

ブルガリアンスクワットの注意点

前足にしっかり体重をかけ、後ろ足でバランスを取るようにしましょう。
前足の膝が極端につま先よりも前に出過ぎないようにしましょう。
背中を丸めたり反ったりせずに、背筋を真っ直ぐに保ちましょう。

片足だけで行うスクワットです。
大腿四頭筋や大臀筋などの下半身の筋力、柔軟性、バランス感覚や体幹の安定性を鍛えるやや難易度の高い上級者向けのトレーニングです。
高負荷なトレーニングでバランスをとるのも難しく難易度も高いため、膝への負担が大きくなる可能性があり、無理をするとケガをする危険性もあります。
また、柔軟性も必要となりますので、適切なウォームアップとストレッチを行うことも大切です。
多くの人にお勧めできるトレーニングとはいえませんので、行うときはご自身の筋力や柔軟性を考慮し、無理のない範囲でトレーニングを行ってください。

片足スクワットにもいくつか方法があります。

片足スクワットの方法①

  1. 準備姿勢: 片方の足のひざを曲げて、床から浮かせます。両腕はバランスを取るために前方に伸ばすか、胸の前でクロスします。
  2. しゃがみ込む: 息を吸いながらバランスを取り、床につけた方の片足の膝を曲げて、ゆっくりしゃがみ込みます。このとき、極端に膝がつま先を越えすぎないように注意しましょう。
  3. 最下点: 浮かせた脚のひざが床すれすれの高さになるまでゆっくり下げましょう。最下点ではしっかりバランスを保つようにしましょう。
  4. 戻る: 息を吐きながら膝を伸ばし、元の立ち姿勢に戻ります。
  5. 繰り返し: 片足で数回繰り返した後、反対の足でも同じ動作を行います。

片足スクワットの方法②

ピストルスクワット

ピストルスクワットの方法

  1. 準備姿勢
    バランスをとるため、両手はまっすぐ前に伸ばして立ちます。
    片足で立ち、もう片方の足は軽く前に浮かせて伸ばし、動作が終わるまで地面につけないようにします。
  2. しゃがみ込む
    息を吸いながらバランスを取り、身体を支えている脚の膝を曲げて、ゆっくりしゃがみ込みます。
  3. 最下点
    限界まで腰を落としましょう。
    最下点ではしっかりバランスを保つようにしましょう。
  4. 戻る
    限界まで腰を落とした後、息を吐きながら膝を伸ばし、元の状態に戻ります。
  5. 繰り返し
    片足で数回繰り返した後、反対の足でも同じ動作を行います。

片足スクワットの方法③

台上片足スクワット

台上片足スクワットの方法

ピストルスクワットもある程度高さがある台の上で行うと、浮かせる足を下ろすことができるためおこないやすくなります。
さらに支えとして捕まることができる場所があればバランスもとりやすく、片足に負荷を乗せることだけに集中することもできます。
方法としてはピストルスクワットに準じて行いますが、片足は台からおろして行います。

片足スクワットの注意点

片足スクワットは負荷が高く、バランスを保つのも難しいトレーニングなので、筋力が十分でない場合や膝に違和感がある場合は無理して行わないようにしましょう。
バランスを取ることが難しい場合は、支えとして壁や柱を利用してもかまいません。
ただし、筋力が十分な場合は、支えはバランスをとるためだけに利用するようにしましょう。
筋力が足りない場合は、最初は膝を軽く曲げるぐらいから始め、少しずつ角度を大きくしていきましょう。
支えをサポートとして利用したり、椅子などを使ってしゃがむ深さを制限して行う(片足でのボックススクワット)などで負荷を調整して、徐々に慣れていくのも良いでしょう。
片足でのボックススクワットを行う場合は、ボックス(椅子やベンチ)に腰かけるように片足スクワットを行います。
高さの調整が可能であれば、高めの椅子から始めて、徐々に低いものへ変えて負荷を高めていきましょう。
お尻がボックスについたら、すぐに立ち上がるようにします。

下半身トレーニングはつらい?だからこそ取り入れる価値がある

下半身のトレーニングは地味で辛いイメージがあるかもしれません。
実際に本気で取り組むと、脚のトレーニングは上半身のトレーニングよりも辛く感じることがあり、脚のトレーニングの日は憂鬱になることもあります。
また、下半身の筋肉は上半身の筋肉に比べて露出する機会が少なく、目立ちにくい部位とも言えます。
ボディメイクを目的としたトレーニングを行う際、モチベーションが上がらないこともあります。
また、「脚を鍛えすぎると太くなってしまい、短く見えるのでは?」と心配する声もあります。
たしかに、極端なトレーニングを長期間継続すれば、太くなる可能性もゼロではありません。
ただし、これはかなりハードなトレーニングを継続した場合に限ります。
自重トレーニングや適度な負荷でのトレーニングであれば、むしろ脚を引き締め、シェイプアップする効果が期待できます。
体型に合ったズボンがきつくなるような事態も、適度なトレーニング範囲ではまず心配ありません。

それでも、下半身を鍛えることには非常に大きなメリットがあります。
下半身の筋肉は、全身の筋肉の約70%を占めると言われており、それらを使うトレーニングは非常に多くのカロリーを消費します。
これは、ダイエットや脂肪燃焼を目的とする人にとって、大きな利点です。
さらに、下半身は筋肉量も増やしやすく、基礎代謝の向上にもつながります。
結果として、太りにくく痩せやすい体質への改善が期待できるのです。
日常生活においても、歩く・立つ・階段を上るなど、ほとんどの動作で下半身の筋力が必要となります。
スポーツパフォーマンスの向上はもちろん、健康や生活の質(QOL)を維持・向上させるための土台としても、下半身の筋肉は欠かせません。
「脚のトレーニングはきついから」「目立たないから」といって避けてしまうのは、実にもったいないことです。
もちろん、脚トレが好きな人や、スクワットで○○kgを目指すなど明確な目標を持っている人は、それを突き詰めていけば良いと思います。

まずは自分のできる範囲から、無理なく下半身トレーニングを取り入れてみてください。
続けるうちに、身体の変化や体力の向上を感じられるようになれば、きっとやりがいを感じるようになります。
それが、モチベーションの維持や継続のカギになるはずです。

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