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インクラインベンチプレス・デクラインベンチプレスのやり方を徹底解説

バーベルトレーニング

効果や鍛えられる筋肉、正しいフォーム、注意点を初心者向けにわかりやすく説明

胸のトレーニングをしているものの、「もっと胸上部のボリュームがほしい」「もっと下部を厚くして境界を際立たせたい」など、発達のバランスに悩む方は少なくありません。

大胸筋は、トレーニングにおいて上部・中部・下部の3つに分けて考えられることが一般的です。
理想的な胸をつくるためには、それぞれの部位のバランスを考え、トレーニングを行う必要があります。

そこで役立つベンチプレスのバリエーションが、「インクラインベンチプレス」と「デクラインベンチプレス」です。
インクラインベンチプレスとデクラインベンチプレスは、角度を調節できるアジャスタブルベンチを使用して行います。
ベンチの角度を変えることで、大胸筋の中でも刺激を受けやすい部位が変わり、大胸筋のバランスを調整しながら鍛えられるようになります。
しかし、初心者の方の中には、「正しいフォームがわからない」「フラットベンチプレスとの違いは?」など、疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、インクラインベンチプレスとデクラインベンチプレスの効果やフラットベンチプレスとの違い、鍛えられる部位、正しいフォーム、よくあるミスや注意点を詳しく解説します。


  1. インクラインベンチプレス
    1. インクラインベンチプレスで得られる主な効果
    2. インクラインベンチプレスのやり方
      1. 必要な器具
      2. セッティング
        1. ① ベンチの角度を30〜45度程度に設定する
        2. ② ベンチの位置とラックの高さを合わせる
        3. ③ セーフティバー(セーフティラック)の高さを設定する
        4. ④ バーのみでセッティングをチェックする
        5. ⑤ 必要に応じてプレートを装着する
      3. 実施
        1. ⑥ ベンチに座りバーを握る
        2. ⑦ 胸を張り、肩甲骨を寄せて下げる
        3. ⑧ バーをラックアップする
        4. ⑨ バーを胸の上部まで下ろす
        5. ⑩ バーを押し上げる
    3. インクラインベンチプレスの注意点
      1. 1. 基本的な注意点は、フラットベンチプレスと共通
      2. 2. アジャスタブルベンチの角度と筋肉への負荷
  2. デクラインベンチプレス
    1. デクラインベンチプレスで得られる主な効果
    2. デクラインベンチプレスのやり方
      1. 必要な器具
      2. セッティング
        1. ① ベンチの角度を約15〜30度のデクライン(頭側が下がる角度)に設定する
        2. ② ベンチの位置とラックの高さを合わせる
        3. ③ セーフティバー(セーフティラック)の高さを設定する
        4. ④ バーのみでセッティングをチェックする
        5. ⑤ 必要に応じてプレートを装着する
      3. 実施
        1. ⑥ ベンチに寝てバーを握る
        2. ⑦ 胸を張り、肩甲骨を寄せて下げる
        3. ⑧ バーをラックアップする
        4. ⑨ バーを胸の下部まで下ろす
        5. ⑩ バーを押し上げる
    3. デクラインベンチプレスの注意点
  3. インクライン(デクライン)ベンチプレスのバリエーション
    1. ◆ インクライン(デクライン)ダンベルプレス
    2. ◆ スミスマシンインクライン(デクライン)ベンチプレス
    3. ◆ インクライン(デクライン)ダンベルフライ
  4. まとめ


インクラインベンチプレスは、トレーニングベンチの背もたれを少し起こした状態でベンチプレスを行います。
腕を斜め上へ押し出す動作となり、主に大胸筋上部を重点的に鍛えるために用いられる種目です。
胸の上部に厚みをつくり、立体感のある胸板を目指したい方にとって有用な種目となります。

インクラインベンチプレスで得られる主な効果

  1. 大胸筋上部の発達
    インクラインベンチプレス最大の効果は、大胸筋上部を重点的に鍛えられることです。
    胸の上側に厚みが生まれることで、胸全体の立体感が増し、見栄えの良い胸板をつくりやすくなります。
  2. 三角筋前部や上腕三頭筋の強化
    インクラインベンチプレスでは、大胸筋だけでなく、肩前部の三角筋前部や上腕の裏側にある上腕三頭筋も同時に鍛えられます。
    これらの筋肉は、バーベルを押し上げたり肘を伸ばしたりする動作で重要な役割を担うため、補助筋として筋力向上が期待できます。


インクラインベンチプレスのやり方

必要な器具

バーベル
・プレート
・アジャスタブルベンチ(角度を調節できるトレーニングベンチ)
・ベンチプレスラック
・セーフティバー(セーフティラック)

セッティング

① ベンチの角度を30〜45度程度に設定する
② ラックの高さとベンチの位置を合わせる
③ セーフティバー(セーフティラック)の高さを設定する
④ バーのみでセッティングをチェックする
⑤ 必要に応じてプレートを装着する


① ベンチの角度を30〜45度程度に設定する

ベンチの角度を30〜45度程度に設定します
角度が高すぎると、大胸筋上部への刺激が弱くなり、その分、三角筋前部への負荷が大きくなりやすくなります。
一方で、角度が低すぎると通常のフラットベンチプレスに近い動作となり、インクラインベンチプレスの特徴を活かしにくくなります。
また、お尻がずり落ちないように、座面の角度を調節できるベンチであれば、座面も少し上げておくと姿勢を維持しやすくなります。
初心者は30度前後から始めると、大胸筋上部へ刺激を入れやすく、肩への負担も抑えやすくなります。


② ベンチの位置とラックの高さを合わせる

インクラインベンチに深く座り、背中をシートへしっかり密着させます。
その状態で、ラックに掛かったバーベルが目線の真上~やや頭側に位置するように、ベンチの位置を調整します
インクラインベンチプレスでは、ベンチの位置によって体とバーベルの位置関係がほぼ決まるため、この調整は非常に重要です。
適切な位置にセットできていないと、ラックアップやラックへの収納(ラックイン)もしにくくなり、安全性も低下します。
次に、ベンチに座って肩甲骨を寄せた状態でバーベルを握り、肘が軽く曲がる位置にラックの高さを設定します。
ラックが高すぎるとラックアップ時に肩が前へ出てフォームが崩れやすくなり、低すぎると不必要に大きな力を使ってラックアップすることになります。
肩甲骨のポジションを維持したままラックアップできる高さに設定しましょう。


③ セーフティバー(セーフティラック)の高さを設定する

セーフティバーは、万が一、バーベルを押し上げられなくなった場合でも、胸や首が圧迫されない高さに設定しましょう。
インクラインベンチプレスは通常のベンチプレスよりもバーが首元に近い軌道を通るため、適切なセーフティ設定が重要です。
特に高重量を扱う場合や一人で行う場合は、安全のため必ずセーフティバーを使用しましょう。


④ バーのみでセッティングをチェックする

プレートを装着する前に、必ずバーのみで動作確認を行いましょう。
ラックアップやラックへの収納(ラックイン)がスムーズにできるか、バーの軌道に違和感や無理がないか、セーフティバーの高さに問題がないかを確認します。
また、ベンチの角度が自分に合っているかもこの段階でチェックしましょう。
この段階での安全確認は最優先事項です
ラックやセーフティバー、ベンチ角度の確認は必ず行いましょう

⑤ 必要に応じてプレートを装着する

【重量設定】
初心者の方は、まずはプレートを付けずバーのみでフォームの習得を目指しましょう。
インクラインベンチプレスはフラットベンチプレスよりも扱える重量が軽くなることが一般的です。
そのため、普段のフラットベンチプレスと同じ重量から始めるのではなく、フォームを維持できる重量から徐々に負荷を上げていくようにしましょう。
プレートを追加する際も、胸の上部への刺激を意識しつつ、フォームを崩さずに扱える重量の範囲で行いましょう。


実施

⑥ ベンチに座りバーを握る
⑦ 胸を張り、肩甲骨を寄せて下げる
⑧ バーをラックアップする
バーを胸の上部まで下ろす
⑩ バーを押し上げる


⑥ ベンチに座りバーを握る

ベンチに深く座り、背中をシートへしっかり密着させます。
手幅の目安は「肩幅の約1.5倍」です
具体的には、バーを胸の上部まで下ろした際に、前腕が床と垂直になる幅が理想です。
グリップが狭すぎると上腕三頭筋への負荷が強くなり、大胸筋上部への刺激が弱くなります。
反対に広すぎると肩関節への負担が増え、可動域も狭くなりやすいため注意しましょう。
手首は反らせすぎず、バーを手のひらの付け根(掌底)にしっかり乗せるように握ることで、力を効率よく伝えられます。

⑦ 胸を張り、肩甲骨を寄せて下げる

胸を張りながら肩甲骨を寄せ、下げる(下制する)意識を持ちましょう。
この姿勢を作ることで大胸筋上部に刺激が入りやすくなり、肩への負担も軽減できます。
インクラインベンチプレスではベンチの角度の影響で肩が前に出やすいため、動作中も肩甲骨を寄せたポジションを維持し、背中をベンチに固定することが重要です。

⑧ バーをラックアップする

肩甲骨を寄せた姿勢を崩さないまま、バーをラックから外します(ラックアップ)。
その後、バーをコントロールしながら肩関節~胸の上部の真上にくる位置まで移動させ、スタートポジションを作ります。
ラックアップ時に肩が前に出るとフォームが崩れやすくなるため、胸を張った姿勢を維持することが重要です。

⑨ バーを胸の上部まで下ろす

息を吸いながら肘を曲げ、バーを鎖骨の下〜大胸筋上部に向かってゆっくり下ろします
可動域の目安は、バーが胸に軽く触れる位置、または1〜2cm手前程度です。
適切な可動域で行うことで大胸筋上部にしっかりストレッチがかかります。
ただし、無理に可動域を広げると肩関節へ過度な負担がかかり、痛みやケガの原因になります。
柔軟性に合わせて、無理のない範囲で下ろすようにしましょう。
肘は真横に開きすぎると肩への負担が増えやすく、逆に閉じすぎると上腕三頭筋に負荷が逃げやすくなります。
体幹に対して45〜60度程度を目安に保つことで、大胸筋上部に効かせつつ安全に動作できます。
肘を軽く閉じるため、バーは自然な弧を描くように動かすのが一般的です。
バーは勢いで下ろさず、筋肉でコントロールしながらゆっくり下降させましょう。



⑩ バーを押し上げる

胸の上部で切り返したら、息を吐きながら大胸筋上部で押し上げる意識でバーをスタートポジションへ戻します。
肘を完全にロックする直前まで押し切り、肩甲骨を寄せた姿勢を維持しながら、次の反復へ移りましょう。
フォームが崩れる場合は無理に続けず、重量を下げて正しいフォームで行うことを優先しましょう。




インクラインベンチプレスの注意点

1. 基本的な注意点は、フラットベンチプレスと共通

  1. ウォームアップとストレッチ
    • メインセットに入る前に、肩や胸を ”動的ストレッチ” でウォームアップしておきましょう。
    • トレーニング後や入浴後には、”静的ストレッチ” を行い、筋肉を柔軟に保つようにしましょう。
  2. 肩甲骨を寄せて下げる
    • 胸を張って肩を落とす(肩甲骨を寄せて下げる)ことで胸に刺激が入りやすくなります。
      肩がすくむと大胸筋に負荷が乗りにくくなるだけでなく、肩関節を痛める原因にもなります。

  1. バーベルの持ち方
    • 手幅の目安は肩幅の1.5倍程度
      バーを下ろしたときに前腕が床と垂直になる手幅が理想となります。
    • バーベルは手のひらの付け根(母指球〜小指球)で支えるように握ると、手首への負担を軽減できます。
    • 手首は握りこみすぎない、反らせすぎないようにしましょう。
  2. 体を安定させる
    • 両足を床にしっかりつけ、お尻と背中をベンチに固定して体を安定させます。
      全身のブレを抑えることで、バーの軌道が安定し、力を効率よく伝えられます。
  3. 肘の角度
    • バーベルを下ろす際は、脇は開きすぎず、軽く閉じた状態で行いましょう。
      脇を開きすぎると肩関節への負担が増え、ケガのリスクが高まります。
      目安として、体幹に対して45〜60度程度の角度を維持することで、安定したフォームを維持しやすくなります。
      ※ただし肩関節の柔軟性には個人差があるため、あくまで目安として調整しましょう。

  1. バーベルの軌道
    • バーベルはトップで肩関節の真上となるように押し上げます。
      下ろす際は、胸の上部に向かってやや斜めの自然な軌道を描くように動かします。
      脇を軽く閉じたフォームでは直線ではなくわずかな弧を描く動きとなります。
      軌道が前後に大きくブレると肩への負担が増えるため、一定のコントロールを保つことが重要です。

  1. ボトム(最も深く下ろした状態)
    • 大胸筋にしっかりストレッチをかけるように、無理のない範囲でバーを深く下ろしましょう。
    • インクラインベンチプレスでは上体を起こしているため、バーベルを下ろす位置は通常のベンチプレスよりやや上の方(鎖骨の下~大胸筋上部あたりを目安)に下ろします。
  2. トップ(押し上げた状態)
    • バーを押し上げる際は、肘を完全にロックしきる直前で次の動作へ移ることで、筋肉に継続的な負荷をかけることができます。
    • 動作中は肩がすくまないように注意し、胸を張った姿勢を保ちながらコントロールしましょう。
  3. 呼吸の調整
    • バーを下ろすときに息を吸い、押し上げるときに息を吐きます。
    • 動作中に呼吸を止めると血圧が上がりやすくなるため、自然な呼吸を意識しましょう。
  4. 適切な重量選び
    • インクラインベンチプレスはフラットベンチプレスより扱える重量が軽くなるのが一般的です。
      無理に高重量を扱わず、フォームを安定して維持できる重量から始めましょう。
      特に初心者は、動作をコントロールできる範囲で徐々に負荷を上げていくことが重要です。

詳しくは下記をご参照ください。

ベンチプレスの正しいやり方|初心者でも効くフォームを徹底解説
ベンチプレスの正しいやり方を初心者向けに解説。ベンチプレスとダンベルプレスの違いから大胸筋に効かせるフォームのコツ、重量設定、呼吸法、注意点、ケガを防ぐポイントまで分かりやすく紹介。


2. アジャスタブルベンチの角度と筋肉への負荷

アジャスタブルベンチの角度によって負荷のかかる筋肉の部位が変わるため、大胸筋を部位別に鍛えるうえで角度設定は非常に重要となります。
一般的には30〜45度を目安に設定します。

角度が30度程度であれば、鍛えられる部位は「大胸筋の上部~中部」中心です。
一方、角度が45度付近になると、鍛えられる部位は「大胸筋の上部」と「三角筋の前側」中心になります。
つまり、角度が高くなるほど負荷の中心は、大胸筋中部 ⇒ 大胸筋上部 ⇒ 三角筋前部へ移行することになります。
また、適切な角度はブリッジの作り方によっても変わります。
ブリッジを大きく作るという方は、やや大きめに角度をつけたほうが大胸筋上部を狙いやすくなります。
逆にブリッジをほとんど作らないという方は、角度を低めに設定しましょう。




デクラインベンチプレスは、腹筋台やデクライン角度に調節できるアジャスタブルトレーニングベンチを使用し、背もたれを倒して頭側を低くした状態でベンチプレスを行います。
デクライン姿勢でバーベルを押し上げることで、主に大胸筋下部を重点的に鍛えることができます。
胸の下側に厚みをつけたい人や、大胸筋全体をバランスよく発達させたい人に適した種目です。


デクラインベンチプレスで得られる主な効果

  1. 大胸筋下部の発達
    デクラインベンチプレスの主な目的は、大胸筋下部を重点的に鍛えることです。
    胸の下側に厚みを出すことで、大胸筋の輪郭を際立たせる効果があります。
    大胸筋を部位ごとに鍛え分けることで、大胸筋全体のバランスを取りながら鍛えることができます。

  2. 肩前部(三角筋前部)や上腕の後ろ側(上腕三頭筋)の強化
    デクラインベンチプレスでは、大胸筋だけでなく三角筋前部や上腕三頭筋も補助的に働きます。
    バーベルを押し上げる動作や肘を伸ばす動作に関与するため、これらの筋肉の強化にもつながります。


デクラインベンチプレスのやり方

必要な器具

バーベル
・プレート
・デクラインベンチ(足固定パッド付き)
・ベンチプレスラック
・セーフティバー(またはセーフティラック)


セッティング

① ベンチの角度を約15〜30度のデクライン(頭側が下がる角度)に設定する
② ベンチの位置とラックの高さを合わせる
③ セーフティバー(セーフティラック)の高さを設定する
④ バーのみでセッティングをチェックする
⑤ 必要に応じてプレートを装着する


① ベンチの角度を約15〜30度のデクライン(頭側が下がる角度)に設定する

ベンチの角度を約15〜30度程度のデクライン(頭が下がる角度)に設定します。
角度が浅すぎるとフラットベンチプレスとの違いが少なくなり、角度が深すぎると体勢が不安定になってラックアップやラックインが難しくなるだけでなく、安全性も低下します。
また、デクラインベンチには足を固定するパッドが付いているため、足首やすねがしっかり固定される位置に調整しましょう。
トレーニング中に体がずれ落ちない状態を作ることが重要です。
なお、初心者は無理に角度を深くせず、15〜20度程度から始めると安定したフォームを作りやすくなります。

② ベンチの位置とラックの高さを合わせる

デクラインベンチに寝て、足を固定した状態で背中をシートへしっかり密着させます。
その状態で、バーが目線のやや上〜真上あたりに来る位置にベンチの前後位置を調整します。
デクラインベンチプレスは足が固定されるため、一度セットすると体の位置を大きく調整することが難しくなります。
そのため、ベンチの位置調整は非常に重要です。
適切な位置にベンチをセットできていないと、ラックアップしにくくなるだけでなく、バーをラックへ戻す動作も不安定になります。

次に、ラックの高さを調整します。
肩甲骨を寄せて胸を張った状態でバーを握り、肘が軽く曲がる位置にバーが来る高さにラックを設定します。
ラックが高すぎるとラックアップ時に肩が前へ出てフォームが崩れやすく、低すぎると余計な力を使ってバーを持ち上げることになります。
肩甲骨のポジションを維持したままスムーズにラックアップできる高さに設定しましょう。

③ セーフティバー(セーフティラック)の高さを設定する

セーフティバーは、万が一バーベルを挙げられなくなった場合に備えて、胸や顔が圧迫されない高さに設定します。
デクラインベンチプレスは頭が下がった姿勢で行うため、失敗時にバーが顔や首へ近づきやすくなります。
そのため、セーフティ設定は通常のベンチプレス以上に重要です。
セーフティバーが高すぎると可動域が制限され、低すぎると十分にバーを受け止められません。
安全に動作できる位置に調整しましょう。
セーフティ設備がない場合は、無理な重量設定を避け、必ず補助者(スポッター)を付けて実施してください。

④ バーのみでセッティングをチェックする

プレートを装着する前に、バーのみの状態で実際に動作を行いましょう。
ラックアップ・ラックインがスムーズにできるか、動作中に違和感がないか、セーフティバーの高さに問題がないかを確認します。
また、足の固定パッドが緩すぎないか、窮屈すぎないか、ベンチ角度が自分に合っているかもこの段階でチェックしましょう。
安全対策は最優先です。
ベンチの角度、ラックの高さ、セーフティバー、足の固定状態は必ず事前に確認してください。

⑤ 必要に応じてプレートを装着する

【重量設定】
初心者の方は、まずバーのみでフォームの習得を目指しましょう。
デクラインベンチプレスは大胸筋下部に刺激が入りやすく、動作に慣れるとフラットベンチプレスと同程度、もしくはそれよりさらに重い重量を扱える場合もあります。
しかし、頭が下がった不安定な姿勢で行うため、フォームが崩れると危険性が高くなります。
そのため、いきなり通常のベンチプレスと同じ重量で行うのではなく、軽めの重量から始めてフォームを確認しながら徐々に負荷を上げていくようにしましょう。
プレートを追加する際も、大胸筋下部への刺激を意識しつつ、正しいフォームを維持できる範囲で行いましょう。


実施

⑥ ベンチに寝てバーを握る
⑦ 胸を張り、肩甲骨を寄せて下げる
⑧ バーをラックアップする
⑨ バーを胸の下部まで下ろす
⑩ バーを押し上げる


⑥ ベンチに寝てバーを握る

デクラインベンチに仰向けになり、足をパッドへしっかり固定します。
頭・上背部・お尻をベンチへ密着させ、体がずれない姿勢を作りましょう。
手幅は、バーを胸の下部まで下ろした際に、前腕が床と垂直になる位置を目安にします。
一般的には肩幅の約1.5倍程度が目安です。
グリップが狭すぎると上腕三頭筋の関与が大きくなり、相対的に大胸筋下部への刺激を得にくくなります。
反対に広すぎると肩関節への負担が増え、十分な可動域を確保しにくくなるため注意しましょう。
また、手首は反らせすぎず、バーを手のひらの付け根に乗せるように握ることで、力を効率よく伝えられます。

⑦ 胸を張り、肩甲骨を寄せて下げる

胸を張りながら、肩甲骨を寄せて下げる(下制する)意識を持ちましょう。
この姿勢を作ることで、大胸筋下部の力を発揮しやすくなり、肩関節への負担も軽減できます。
デクラインベンチプレスは頭側が下がった姿勢で行うため、動作中に肩甲骨の寄せが緩み、肩が前へ出やすくなります。
バーを下ろす時も押し上げる時も肩甲骨のポジションを崩さず、最後まで維持するようにしましょう。

⑧ バーをラックアップする

肩甲骨を寄せた姿勢を崩さないまま、バーを持ち上げてラックから外します。
ラックから外したら、バーを肩関節~胸の下部の真上にくる位置まで移動させ、スタートポジションを作ります。
ラックアップ時に肩が前へ出たり、お尻がベンチから浮いたりするとフォームが崩れやすくなります。
胸を張った姿勢と肩甲骨のポジションを維持したまま、安定した状態で動作を開始しましょう。

⑨ バーを胸の下部まで下ろす

息を吸いながら肘を曲げ、バーをみぞおち〜胸の下部(大胸筋下部付近)へ向かってゆっくり下ろします
可動域の目安は、バーが胸に軽く触れる程度です。
バーをコントロールしながら十分な可動域で下ろすことで、大胸筋下部をしっかり伸張させることができます。
ただし、無理に可動域を広げると肩関節などへ過度な負担がかかり、痛みやケガの原因になるため、自分の柔軟性に合わせて無理のない範囲で行いましょう。
また、このとき肘を真横に開きすぎると肩への負担が大きくなり、反対に閉じすぎると上腕三頭筋の関与が大きくなります。
体に対して45〜60度程度(あくまで目安)の角度を意識すると、大胸筋下部へ刺激を伝えやすく、肩への負担も抑えやすくなります。
重力に任せて勢いよく下ろしたり、胸でバウンドさせたりせず、筋肉で重量をコントロールしながらゆっくり下ろすことを心がけましょう。

⑩ バーを押し上げる

胸の下部で切り返したら、息を吐きながら、大胸筋下部でバーを押し返す意識を持ってスタートポジションへ向けて押し上げます。
バーは自然な軌道を描きながらスタートポジションへ戻すように動かすことで、スムーズに力を発揮できます。
肘を完全にロックする直前まで押し上げたら、肩甲骨を寄せた姿勢を維持したまま次の反復へ移りましょう。
フォームが崩れたり、お尻がベンチから浮いたりする場合は、重量を下げて正しいフォームを優先するようにしましょう。
重量よりも動作の質を重視し、大胸筋へ十分な刺激を与えられる範囲で行いましょう。



デクラインベンチプレスの注意点

デクラインベンチプレスの基本的な注意点は、インクラインベンチプレスと共通しています。
詳しくは「インクラインベンチプレスの注意点」を参考にしてください。

インクラインベンチプレスの注意点⇧

ただし、デクラインベンチプレスは頭側を下げた姿勢で行うため、バーを下ろす位置はフラットベンチプレスよりやや低くなります。
みぞおち〜大胸筋下部付近を目安に下ろすことで、ターゲットへ刺激を与えやすくなります。
肩に痛みのない範囲で正しいフォームを維持しましょう。



◆ インクライン(デクライン)ダンベルプレス


特徴
左右の腕を独立して動かせる
バーベルより可動域が広く、大胸筋上部もしくは下部をしっかりストレッチできる
自分に合った自然な軌道で動作しやすい

おすすめポイント
バーベルよりも可動域を大きく使えるため、大胸筋上部を丁寧に伸ばしながら収縮させることができます。
高重量を扱うことよりも、筋肉をコントロールして動かすことを意識した方が、狙った場所へ効かせやすくなります。
個人的には、重量を多少落としてでもインクラインダンベルプレスをおすすめします。

◆ スミスマシンインクライン(デクライン)ベンチプレス


特徴
バーの軌道が固定されている
バランスを取る必要が少ない
狙った部位に集中しやすい

おすすめポイント
スミスマシンは軌道が固定されているため、フォームが安定しやすく、狙った筋肉へ意識を集中しやすいというメリットがあります。
特に初心者や、フリーウエイトでフォームが安定しない方にはおすすめです。
限界まで追い込みたい場面でも、軌道が安定しているため比較的安全にトレーニングが行えます。

◆ インクライン(デクライン)ダンベルフライ


ダンベルフライは押す動作ではなく、胸を開閉する動作によって大胸筋をストレッチさせる種目です。
追加種目として行うことで、強いストレッチ刺激を与えやすくなります。

個人的には、「インクライン(デクライン)ダンベルプレス → スミスマシン → バーベル」の順で初心者におすすめです。

インクライン(デクライン)種目では、高重量を競うことよりも、大胸筋上部または下部へ正確に刺激を与えることが重要だと考えています。
重量を無理に追い求めるよりも、可動域を十分に使い、動作を丁寧にコントロールしながら行う方が、狙った筋肉へ効かせやすくなります。
また、大胸筋下部を鍛える種目には、ディップスやケーブルクロスオーバーなど優れた種目もあります。
そのため、初心者が優先的に取り組むという観点では、私自身はインクライン系種目の方が優先度は高いと考えています。
デクラインベンチプレスも有効な種目ですが、トレーニングの目的や環境に応じて取り入れるとよいでしょう。






インクラインベンチプレスとデクラインベンチプレスは、ベンチの角度を変えることで大胸筋の中でも刺激を受けやすい部位を変えられるトレーニングです。

インクラインベンチプレスは主に大胸筋上部を狙い、胸の上側に厚みをつくって立体感のある胸板を目指したい方に適しています。
一方、デクラインベンチプレスは主に大胸筋下部を狙い、胸の下側に厚みを出して輪郭を際立たせたい方におすすめです。

ただし、どちらの種目も「角度を付ければ必ずその部位だけを鍛えられる」というわけではありません。
大胸筋全体や三角筋前部、上腕三頭筋なども同時に働くため、正しいフォームで継続して行うことが何より重要です。

また、初心者の方は無理に高重量を扱う必要はありません。
まずはバーのみ、または軽い重量から始め、肩甲骨の位置やバーの軌道、呼吸を意識しながらフォームを身につけましょう。
重量はフォームが安定してから少しずつ増やしていくことが、安全かつ効率的な筋力アップにつながります。

理想的な胸をつくるためには、フラットベンチプレスを基本としながら、目的に応じてインクラインベンチプレスやデクラインベンチプレスを組み合わせることが効果的です。
ぜひ自分に合った角度や重量を見つけ、バランスの良い大胸筋づくりを目指してみてください。

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